さてこれから、1900年代後半の、宇宙人の地球進出について書いていきたいのですが、空飛ぶ円盤と言えば、まず有名なのはロズウェル事件ですよね。1947年7月8日、アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェルの、ロズウェル陸軍飛行場が、「空飛ぶ円盤を回収した」と発表したのです。当然メディアは大騒ぎ。その日の新聞の多くが、この出来事を大々的に扱いました。
しかしこのニュース、数時間後には、「回収したのは気象観測用気球でした」という訂正がアナウンスされ、それ以来今になっても真実はどうだったのか取り沙汰されています。
この事件はまた後で詳しく見るとして、まずは空飛ぶ円盤の歴史を追ってみましょう。空飛ぶ円盤は「Flying Saucer」または「Flying Disc」の訳で、Saucerはカップの受け皿や、その形をしたものを表します。一方、UFOは未確認飛行物体の略ですが、この言葉は軍で昔から使われていました、一般的に使われ始めたのは、おそらく1950年代に入ってからと思われます。
空飛ぶ円盤(Flying Saucer)の言葉が有名になったのは、1947年6月24日のケネス・アーノルド事件がきっかけのようです。これはアメリカ人パイロットのケネス・アーノルドが、ワシントン州上空で9個の奇妙な物体を目撃したという事件なのですが、それまでも目撃例があったのに、なぜこれが特に有名になったのかよく分かりません。しかも、この事件を記念して6月24日は「UFOの日」とされているのです!
では、これ以前は「Flying Saucer」という言葉はなかったのかというと、全然そんなことはありません。ただ、1800年代にこの言葉を言った場合、それは、クレー射撃の的となる円盤を指していました。しかもこんなお菓子の広告まであって、それに邪魔されずに、宇宙船としての空飛ぶ円盤の記事を探すのは至難の業です。
ところでこのCarvel社の広告は1897年のものですが、このアイスクリームのお菓子、現代でも売ってました。伝統あるお菓子なんですね。せっかくだから現在の姿も貼っておきましょう。
えーと、お菓子の話はさておき、1937年の記事で、宇宙船の意味で空飛ぶ円盤という言葉が使われているのを発見しました。
SF小説から抜け出てきたような空飛ぶ円盤が、やがて、初めての人間を月に運ぶだろう、という記事です。残念ながら目撃例ではないですが、ケネス・アーノルドが見る前から、空飛ぶ円盤とは宇宙を飛行する乗り物なのだという認識は合ったわけです。
そして肝心の目撃例ですが、有名なのは第二次世界大戦(1939 - 1945)中に各国のパイロットたちが見たというフー・ファイターです。例えばこんな目撃例をwikiから紹介しましょう。
1941年9月、インド洋で夜間に目撃された物体が、後の「フー・ファイター」の報告に酷似している。イギリス軍部隊を運ぶポーランド商船「S.S.プラスキ」のデッキで、二人の水兵が「緑色に光る奇妙な球体が、満月の半分にまで大きくなりながら、われわれの前に現れた」と報告している。彼らは士官に警告したが、彼らが見ている中、球体は船とともに1時間以上動き続けた。
ちなみにフー・ファイターズという有名なバンドがいますが、その名前はこのフー・ファイターから来ています。
ところで戦時中と言えば、ドイツ軍が空飛ぶ円盤を作っていた話がありますね。英語版ウィキペディアにはナチスのUFOというページまであります。様々なコードネームで作られていたようですが、中でも有名なのはHaunebuみたいです。発音は「ハウネブ」または「ハウニブ」です。数人がその存在を主張していますが、ここでその飛行テストを撮影したという画像をお見せしましょう。
画像のソースは今のところ秘密で。というか、説明すると非常に長くなるし、しっかり説明しないと誤解を生むので、またそのうちに時間をとって書きます。
ところで、もしこれが本物で(私は本物だと思っていますが)、1939年にこれだけ飛んでいたとしたら、開発はもっとずっと前からしていたはずです。その技術はどこから来たのでしょう?
実は日本でかなり昔、空飛ぶ円盤が着陸したのではないかという話があります。うつろ舟というのを、聞いたことはありませんか。円盤状のものに乗った女性が漂着した話で、古くは1681年尾張国熱田沖、比較的新しいのだと1883年神戸沖など、現在までに11件の史料が見つかっているようです。その中の一つ、「漂流記集」には下記の絵が載っています。
こういった伝説系になると、もっともっと古い話もあります。竹内文書という、成立年代のはっきりしない古文書があり、天津教の聖典とされています。そこにはイザナギ、スサノオなどの時代からの歴史が載っていて、現在初代とされている神武天皇の前にもずっと天皇の系統があり、太古の天皇は「天の浮舟」に乗って全世界を飛行したとの記述があります。この文書。真偽はともかくとして、とにかくぶっ飛んでいて面白いですよ!
さて、こうした古文書の話なら、インドのヴィマナについて書かなければならないでしょう。紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編纂された一連の宗教文書であるヴェーダや、ヒンドゥー教の聖典などに、ヴィマナの記述が出てきます。ただし、ヴィマナは空飛ぶ円盤ではなく、空を飛ぶ様々な乗り物の総称として使われていて、ときには空を飛ぶ宮殿なんてものも、ヴィマナとして出てきてきます。そのためインドの人たちは、現代の飛行機もヴィマナと呼んでいます。
ヴィマナ関連で非常に興味深いのは、ヴィマニカ・シャストラという、下記のようなことが書かれている文献です。
- 壊れない、切断できない、燃えない、破壊できないヴィマナの作り方
- 空中で静止するヴィマナの作り方
- 眼に見えないヴィマナの作り方
- 敵陣の会話や物音を聞き出す方法
- 敵陣の内部の写真を撮る方法
- 敵のヴィマナが接近してくる方向を割り出す方法
- 敵のヴィマナの搭乗員を気絶させる方法
- 敵のヴィマナを破壊する方法
この文献は古文書ではありません。パンディット・スッバラヤ・シャストリ(Pandit Subbaraya Shastry)が、古代の賢者であるバラドヴァージャ(Bharadvaja)からチャネリングを受けて書かれたとされる書物です。1918-1923年にかけてサンスクリット語で口述筆記され、ヒンディー語訳は1959年に、英語対訳付きのサンスクリット語版は1973年に出版されました。ちなみに、第1章に、この文献はバラドヴァージャらによって編纂された、ヤントラ・サルヴァスヴァ(機械のすべて、みたいな意味)と呼ばれる古代文献の一部であることが記されています。
航空工学、機械工学の専門家たちは、こんなのはあり得ないと酷評していますが、実はこの文献に、ヴィマナの飛行原理は書かれていません。そのため、反重力装置など、現代の科学では発見されていない技術が使われていたのではないかという観点から、この文献を真剣に捉えている人たちがいます。ディリープ・クマール・カンジラル(Dileep Kumar Kanjilal)が書いた「古代インドのヴィマナ」では、ヴィマナの推進機関はMercury Vortex Engineとされています。Mercuryは水星という意味で知られていますが、水銀という意味もあります。Vortexは渦の意味。Mercury Vortex Engineは水銀の渦によるエンジンとなります。この渦エンジンの考えは昔からあるようですが、近年になって、その実用化を目指す人が増えているようです。例えば大気の渦を用いたエンジン(AVE)に関しては、2006年に特許が受理されています。
ヴィマニカ・シャストラはもしかしたら、これからその価値が再認識されてくるのかもしれません。
今回はかなり時代をさかのぼってしまいましたが、次回は改めてロズウェル事件からその後を追ってみましょう。