本日は真空管ギターアンプについて語ります。特に新しい知見はなく、すごくダラダラした、素人のおじさんの、下らない(だからこそ素敵な)こだわりを話すので、何かを求めてこのエントリを踏んでしまった方、がっかりしながら最後までお付き合い下さい。



初めて買ったアンプはVOXのPATHFINDER10で、理由は安かったから、というのと、アンプで練習しないと上手くならないと聞いたから。それまで、家にアンプ置けるって思ってなくて、ライブにヘッド持ってくる人は、異世界かなんかに置いてるんだと思ってましたね。当時のバンドメンバーも、みんな家にアンプなかったし。


で、真空管の方がいい、反応が早いし、ギターが上手くなる、て聞いて、



しんくうかん?



てなり。。。はじめはFenderの、なんかエフェクトが何種類かついたやつを買ったんです。4万円とかだったかな。。。でも、ラインアウトがなぜかちゃんとモノラルで出せなくて。なぜか片チャンネルとかになってて、売ったんですけど、これがいい音で。下手にデラックスリヴァーブとかに行くよりいいんじゃないの、と今では思っちゃいますね。でも、ラインアウトが使えないと、MTRに録ったりするのが難しいですから。BLACKSTARのHT5を買って、それをずっと使ってましたね。それもまた真空管のやつで。でも、今から思えば全然音が好みじゃなかったですね。割と最悪な。。。まあ、僕はMarshallちょっと苦手ですから。けど、真空管アンプ的な音の特徴はしっかりあって。



思えば、ギターをする人なら当たり前なんでしょうけど、いつの間にかアンプは真空管でしたね。ソリッドに行ったり、ベースアンプで弾いてたのも長かったですけど。その時は、逆にソリッドステートのヤツで行ってましたけど、そこも真空管のギターアンプを意識してのことですし。



広くて防音の効いた部屋に住んだこともないので、ずっとダミーロードとお友達。で、やっぱり音が変になるんですよ。妙にまとまった音になるんです。人それぞれ考え方があるとは思うんですけど、真空管のギターアンプの魅力であり、なかなかソフトウェアで再現出来ない部分て、ちょっと破綻してる部分だと思うんですよ。クリーンなのにちょっと歪んだ感じがしたり、高域がやけに暴れてたり、レンジが広く感じるアンプもアナライザとかで見ると実は中域モンスターだったり。。。そういうちょっとした特徴が薄くなるんです。特に高域の立ち方が大人しくなっちゃったりして。。。



で、アンプシミュレーターとかを使うわけです。でも、なんか『来ない音』なんですよ。不思議ですね、ほんとに。いや、パッと聴き、ほんとにいい音なんですけど、録音したあとで聴くと、ダミーロードでへなちょこになった実アンプの方が、なんか『生きた』演奏に聴こえるんですよね。うーん。なかなか壊せない固定概念。でも、そう思わせる力のある音なんですよ、真空管。



まあ、音の問題ももちろんあるんですが、一番は、アナログ機器が、熱くなったり、電気で歪んだりしてるのが好きなんでしょうね。天気とかでなんか音が違う気がしたり、スタジオやライブがあるなら、行った箱もそうなんですけど、タイミングでなんか歪まない日があったりなかったり。譲り合いでジャズコーラスになっちゃうのも好きで。ジャズコーラスもいいアンプですよね。音は確かにどクリーンで、チューブものとはけっこう毛色が違いますし、それこそ場所ごとに音がちがいますけど、チューブスクリーマーを持ってったらいつもなんとかなっちゃいますもんね。むしろそんなこんなな音以外の要素が好きで、結局真空管アンプを弾き続けちゃうんですよね。




で、そんな愛おしいアンプちゃんなんですけど、色々デメリットもありますよね。まあ、みなさんわかりきってるアレコレなんですけど。せまーい部屋使いを前提に聞いてちょーよ。


◯いいロードボックスが必要


ロードボックスやアッテネータが必須になりますね。部屋に防音効いてたらいけるやん、なあなた、甘い。甘いよ。例え防音が完璧でも部屋が狭いと、音圧がキツくてシンドいんですよ。ロードボックスも安くないですしね。安くて3か4万円、OXが大体20万円。現実的なんですけど、20あったらギターが欲しくなっちゃうね!あと、どうしてもYouTubeで見る限りOXは、


これ、ロードボックスのラインアウトからアナログのキャビシミュに入れてリヴァーブかけたらいいんちゃう?て思ってしまい。。。いや、良くないよね。コーンクライやし。



◯真空管の寿命が意外と短い。


僕がアンプを使う時間は大体1日三十分の週4日くらいですか。毎日弾いてますが、残り2日は夜ふかしがキツいか、シミュレーターで弾いてますね。そんくらいの人でも、4年持たないんですよ。場合によっては、回路まで死んだ時もあったりして、思ったより真空管を交換してますね。音がヘボくなった、とかで替えてたらもっと早いかも。とりあえず音が出ないとか、音量が出なくなるまで使ってますから。で、今も昔も、真空管をアンプ1セットそろえると、ちょっといいめの中古ペダルくらいはするんですよ。真空管を替えて遊ぶくらいお金に余裕があるか、音を変えたい時、ペダルやピックじゃなくて真空管に行く人とかだとそんなに苦でもないんでしょうけど、いつも、



あー、真空管じゃなくてペダル買いたいなー



とか思いながら買ってますからね。無印の謎のチャイナ管だと、ノイズでとんでもないことになったりしますから、同じ中国製でもメーカー名がちゃんとしてるヤツを買ってます。ちなみにこないだまで使ってたのは、プリ管はタングソルとエレハモ、パワー管はソヴテックで、今入れてるのは全部プスヴァンですね。いや、どこかのそこそこ高級オーディオのデフォルトの真空管に採用されたらしいんで、プスヴァン。エレハモとかよりは少しだけノイズを感じますが、歪が細かくて、弾いてて気持ちいいですね。音自体は前のより好きかもです。


こういう風に、音より価格で探しちゃってるんですよ。マッチドを買わない時すらありますから。なんかの記事で、マッチドペアとか使わなくていい、あれはオーディオ屋の嘘だ!みたいな記事を読んで、真偽はどうでもそっちのほうが貧乏な自分に都合がいいんでそうしてます。で、いまのところ問題なし。ちなみに、なんらかのラインアウトとかから音を取るとき、スピーカーかダミーロードを繋ぐのを必須にしてるメーカーがほとんどなんですけど、それも繋がなくていい、て言ってる人もいますもんね。さすがにそれは火事とかが怖いのと、パワーアンプの音も欲しいんで繋げてますけど、多分大丈夫なんですよ。BLACKSTARを使ってたとき、何にも考えてなかったし、何の知識もなかったんで、スピーカーに何にも繋がずにラインアウトから音を取ってましたけど、ずっと使えてましたから。




◯頭の悪い固定概念に振り回される。


もし、お手持ちのアンプからクソな音しか出ないとしたら、マスターを上げるとか、まあ何でもいいんでパワーアンプに仕事をさせてみて下さい。オッて声を出すくらい変わります。逆に、音が汚いとか、そんなに歪ませてないのにずっと歪みがキモい、とかがあったら、マスターとかを下げてパワー管を楽にしてやってみてくださいよ。もしくは、プレゼンスを下げたりとか。スッと通りのいい音になったりするでしょ?このパワーアンプで音抜けを調整するのに慣れてると、BOSSのマルチのアンプシミュレータのブロック名が『プリアンプ』なのがキツい。。。!アンシミュ買うときにYouTubeとかを見て



ええ音やなー



て思ってるのに



買ってから、アンシミュのボリュームの項目がただの音量調整だったらどうしよう。



なんて。。。アンシミュはええ音やったらそれでええやんけ。てことでつい、LINE6。この真空管らしさみたいなのって、結局LINE6が得意な感じがするんですよ。音がいいとか悪いとかじゃなく、パワーアンプを効かせるのが楽しいし慣れてるし、的な。何より、アンプって、プリも、もちろんやけどパワーアンプで音決めせなアカンやろ、なんて。そんなわけないのに。




で、マルチとか、アンシミュのプラグインの開発の話を読んでると、めちゃめちゃ頑張ってるし、新しいことをどんどんやろうとしてるとこばかりなんですよね。アナログのアンプって、昔のまんまのやつを流れ作業でワーッと作ってるやつも割とありますし。なのに、なんでかアンシミュ開発は『人の手』に思えない。スタジオを押さえて、いいアンプとマイクをわざわざ会社で買って、時間をかけてキャプチャーして、キャビシミュも専用のIRみたいなのをマイクをミリで動かしながらいっぱい録ったり、何年もかけた、て書いてるやん。もちろんアナログのアンプはもっと長い時間かけて、色んなプレイヤーの後押しと名演もあってその価値を維持し、高めてきていますけどそういう話ではないじゃないですか。



ひどい。ちゃんとそれを読んでるのに、デジタルってだけで、どこか真空管アンプの『バッタもん』で、何かをエミュレートしただけの机上の空論めいたもの、て決めつけてるんです。工場の流れ作業は『素晴らしい手工』で、ソフト屋さんのイノベーションは『作業』て決めつけてるんです。ひどい。ブティックアンプは別ですよ。でも高くて買えないから。なんか縁遠くて頭の隅にもない存在なんですよね。



この固すぎる頭をぶち割れたら、僕の1畳半の防音室は随分すっきりし、アンプのあったスペースには、花を。。。いやいや、ペダルをいっぱい置く棚とか置けるかもしれませんね。ていうかあんまり使わないんですけど、デジタルのペダルにはなんの偏見もないんですよ。ド低能。



◯小さいとヘボそうに見える



これが本気のバカなんですけど、ペダルサイズのアンプとか、ZOOMのMS-Gとかあるじゃないですか。小さいと確かに同時に使えるアンプやペダルの数が少なかったり、音色の切り替えにちょっとした工夫がいったりするとは思いますが、中身のアンプやペダルの一つ一つは、スイッチいっぱいのフラッグシップモデルと同じヤツだったりするじゃないですか。僕のような『音はまあとりあえず両手から』『部屋が爆発的にせまい』な人にはぴったり。でも、なんか小さいとオモチャみたいな音しかしないんちゃう?的な。。。だから、『MS-50Gが3台あったら、機能的にもスペース的にも金銭コスト的にも他のマルチを圧倒出来る』みたいなブログとかを見ると(びっくりすることに同じことをやってる人が何人もいます)その頭のよさ、柔らかさにびっくりしちゃうんですよ。そして自分の無意味な頑固さにも。。。ほんとにびっくり。



そんなこんなで、いまだにせまい部屋でVOXを弾いてます。よく考えたら、けっこう買ってますね、VOX。真空管アンプよ、永遠なれ!