メイクのお話の続き

 

 

お金を失う恐れと美しくなることの関係性については

かなり深い話がいろいろあるけど

簡単なところをちょっと押さえておくことにしますね~

 

かつて

私もNHKの大河ドラマの出ていたことがあって

その中のひとつに、「春日の局」という作品があったのね。

 

その日の収録は、徳川家康以下、もうそうそうたるメンバーが

一同に集まるというシーンだったので

スタッフも、いろいろ大変そうでした。

 

収録の順番もいろいろ変更されたり

リテイクされたりしていて

結構、時間がかかっていた時

 

家康(丹波哲郎)の奥方役の大女優さんが

出番が遅くなるということがわかったとたんに

しっかりと塗り込んだメイクをきれいにとって、洗顔しちゃって

そのうえ、そこにスクワランなのか何かわからないけど

すご~い保湿効果のありそうなものをたっぷり塗りたくって

鬘もとって、羽二重だけにして

リラックスモードに入っちゃったんです。

 

ドーランとか砥粉で、作り上げたメークは

時間もかかっているはずなのに

またメイクすることは、いとわない。

それよりも、肌が楽でいられるようにする

 

 

 

あ~

 

さすが

そういうところが

彼女を大女優さんにしている原因なんだな

 

そう

 

決して

大女優だからそうできるのではなく

その逆

そういう風にふるまえるから

大女優になれるんだということ。

 

メイクをとった彼女をみて

私は

 

あれ?

シーンがなくなって、もう帰るのかな?

 

と、駆け出しっぽく考えた。

 

違うのよ。

美についての意識が違うの!

 

そういえば

お局役の麗子さまは、台本の読み合わせの時にもしっかり着物を着ていて

真っ白な足袋をはいていた。

 

いつも

真っ白。

 

宇野千代さんみたいだった。

 

 

後になって知ったのは

スーツは手があげられなくて構わない

だって、麗子、手を上げる必要ないもん

高いところには、誰かが荷物をおいてくれるから

 

 

って

 

 

その頃は

 

すっごい高飛車な人だと思ったけど

違う

 

違う

 

それでいい。

 

一番ほしいものは

シャネルの考えた働きやすいスーツじゃないの。

 

麗子さまがほしかったのは

肩がぴしっとなっていて

手をあげたら型が崩れてしまうほどのかっこいいスーツ

女優スーツとでもいいましょうか

 

そんなものが欲しかったわけで

 

それでいい。

 

自分の魂の目的にあってるから。

 

それでいいわけ。

 

 

ここでいい子になろうとすると

ずれるし、それる。

 

麗子さまも、エリちえみさまも

みんな、ベッドの中で一人でお亡くなりになったけど

それも孤独死なんて呼ぶなよって感じが漂うでしょ?

 

だって

マリリン モンロー以下

大女優は、そうやってドラマチックにこの世を去るのが定番!

 

だから

みんなに見守られて亡くなる必要なんてない。

 

こんな風に、彼女たちは自分を作り上げている。

作品としてね。

 

美ということになると

自分を作品として扱えるかどうかにかかわってくるわけで

自分にご褒美としてかわいいお洋服をかってあげようとか

自分を満たしてあげようなんていう

素人考えとは、違うのが、この大物たちなのよね。

 

マリリン モンローは

白痴美と呼ばれたけど

頭の良い人だった。

 

腰の動きをウォーキングを変えずに、自然にセクシーにするためには

アンバランスをつくればいいと考えて

片方のハイヒールを少し短く切った。

 

そしたら

歩き方が、ちょっとBikko(日本語としてつかったらだめなのでアルファベットで書くね)になって

腰が揺れる

お尻が揺れる

 

そうやって

彼女なりのセクシーな美を作った。

 

ブランディングとか

自分らしさとかが

今、流行っているけど

 

昔から、普通じゃない人は、普通じゃない

 

 

(笑)

 

 

そういう人たちを垣間見るチャンスがたくさんあった私は

果報者だといえる。

 

 

それで

私は、私らしくではなく

 

 

私は、わたしなりにやる。

 

だって

「らしく」って言葉、自分との間に距離を感じるからね。

 

 

(笑)