『こどもの頃、夢中になった本は?』

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夢中になった本、1冊だとか特定の書名だとかをあげるのが難しい。
就学前検診で視力低下の懸念から読書から遠ざかるべし、との注意を受ける程度に活字中毒、本を愛する子供でした。

昭和の生まれです。
首都圏近郊のなんとなく郊外に生まれ育ってる庶民。
住まいから見える範囲に保育園があったけど、親の方針で自転車で30分弱の距離にあった幼稚園へ通ってました。

生傷の絶えない女児で行きつけの外科があるほどのおてんばでした。

幼稚園では絵本が備え付けられていたけど、その辺を読み尽くした後は自治体運営?の移動図書館というのが住まいに定期的に来てくれていたので、そこで絵本と言わず画集と言わずあらゆる本を借りまくり小学生になる前に自力である程度の文字のある本は読めるようになっていました。

本屋さんは中身を見られないことも多い。
通常の図書館は本を借りに行き期日には本を返さなければならない。
が、移動図書館は沢山の本(子供にとって)を持って来てもらって、選びたい放題に選んで(チラ読みパラ読みし放題)貸し出して貰って、期日が来たらまた引き取りに来てくれる!上げ膳据え膳システムみたいな感じだった。
但し、露天に敷物を広げてそこで本を選ぶ方向だったので荒天のときは来なかったり、来ても返却だけになりがちだったり(書籍に雨滴は大敵ですからねえ)したのは難点だったと思うけど。

幼稚園にあるのはだいたい絵本で、画集やら写真集やら(私立の幼稚園だったし)まではカバーされてなかった。
幼稚園児時代は送迎を親に頼ってたので、移動手段が限られていて(公共交通機関は発達しまくってる地域だけど、子供といえども運賃は掛かるので)本格的に自治体図書館で本を借りまくるようになるのは、小学校に上がって自転車を乗りこなすようになってからでした。

小学校の図書室も本読み放題借り放題で、日々通学してる学校で貸出しも返却も完結出来るので学校に行くの楽しくて仕方なかった。
やがて、分厚い事典類のような蔵書以外は読み尽くして、自治体図書館デビューをする。
自治体図書館は大人区民も利用対象に含まれてる上に学校の図書室よりも当然蔵書数も多く、視聴覚資料も充実していたのでたちまち図書館の虜になったものでした。

地元図書館の蔵書は流石に興味のない分野のものもあって全制覇はしなかったものの、特定の分野の蔵書を特に厚くした専門図書館の存在や、そもそもの国内で発行された書籍は国会図書館なるところにすべて納められ、手続きを踏めば国民誰もが利用できるものなのだと知るようになる。

図書館というものを創り出した先人の知恵に感謝しかありません。

昭和の当時、書籍と呼ばれるもの読むべき価値残すべき価値のあるものの中に、マンガやビデオゲームは含まれなかった。
今やマンガについて芸術的文化的な価値を見いださないなんて考え方の方が少数派だと思うほどに、20〜30年程度で評価が変化したと思う。
同じように、ビデオゲームやアプリゲームのストーリー性があるものだったりも将来的には昭和の頃の書籍のようなカテゴリーに近づくのだろうと思っています。

媒体が紙ベースなのか、プログラムベースでディスプレイ上にあらわれるものなのか、の違いこそあれ、ビデオゲームやアプリゲームについても保存収集、分野ごとに研究が進められて然るべき。
まあ国会図書館なんかでは当然その辺りやってるはずですけども。

本やそれに類するものに、庶民でも触れられる文化的な社会が いま危うくなりかけていることを不安に思っています。
持続可能な社会が求められるのはなにもお金儲けのためやお金持ちの道楽のためではなく、ある程度の知性を保てる大衆がより付加価値の高い産物やサービスの市場受け皿になるからでもある。

楽するための努力、楽しむための努力、これができるのも安全安心である程度経済的に余裕がある社会があってこそ。

本やそれに類するものが庶民から失われませんように。