この物語はフィクションです。
実在するものとは一切関係ありません。
仮面夫婦【3】
派遣社員の迫田真緒にとって、派遣先であ
る病院の幹部から問題を指摘される事は致
命的であり萎縮した。
派遣社員にとって、ミスを犯せば派遣会社
の方へ連絡され交代させられるのは日常茶
飯事だからだ。
その上、派遣先からのクレームは派遣会社
での評価も下がり、次の派遣先は今よりラン
クの低いところになり、度重なると賃金も下げ
られる。
『すみません。数日中に解決出来ますので』
真緒は、小声で言ったあと目を伏せた。
「状況を聴きたいので、夕方仕事が終わったら、
新館2階の特診室まで来てくれないか」
『新館2階の特診室?』
「あー、そうだな、一番奥のリウマチ外来と
して使っている部屋がいいな。それにきみの
立場があるだろうから誰にも気づかれない様
に」
橋本は、それだけ言うと踵を返して医事課を
出た。
真緒は午後からの仕事をしながら、今後どう
なるのだろう、いう事ばかり考えていた。