『ブランドづくりの教科書』読みました。
開業前のリッツ・カールトン大阪に入社し、2002年の退社まで営業統括支配人を務められた林田正光氏の著書です。
国内では無名の外資系ホテル『リッツ・カールトン』の名を2年で世に広げ、ブランド化させた戦略や理念が多く語られています。
前半は、●ブランドとは何か ●『リッツ・カールトン』の徹底した顧客主義が最上級のサービスを生み、その中で起こる従業員とお客様の間の感動秘話 ●『リッツ・カールトン』の従業員の志を高く保ち、動かす「クレド」について書かれています。
リッツ・カールトンが提供するサービスはしばしば、
1: 神秘的なサービス
2:「NO」と言わないサービス
3:「そこまでやってくれるのか」と驚かれるサービス
と表現されています。
これらの具体例が書かれているのですが、とくに印象深かったのが"2"の「NO」と言わないサービスの例です。
お客様の要望には応え、たとえそれが困難な事でも決して「NO」とは言わず、それに代わる提案をすることがこのサービスの真意であるということです。
こういうことはホテルでのサービスに限らず、様々な状況で応用でき、そういった考え方を頭の隅に置いているだけでコミュニケーションの取り方も変わってくると思います。
僕自身、これまでコミュニケーションの取り方が悪かったために後々「あっ、失敗したな」と悔やんだ経験があります。
常々教わっていることですが、利他的であるということはこういう意味合いもあるんですね。
そして、後半は自分ブランドを築くための指南が書かれています。
やはりここにも、他人の評価により築き上げられる自分の価値というのは
「コミュニケーション能力 + 専門性 = 自分ブランド」
すなわち、自分が持つ特異性に加えて、いかに良質なコミュニケーションができるかが重要だということが表されています。
他人を想い、行動することが自分の価値を高めるという結果につながるのは素晴らしいことだと思います。
主観(お客様の立場)でニーズを理解し、客観(お客様の行動や状況をよく観察)で行動することが先読み力となり、感動を与えるんだなと感じた一冊です。