時雨色 | Site Tate ~サイト・テイト~

Site Tate ~サイト・テイト~

テイトの春夏秋冬

吐き出したのは噛み砕いたガラスの破片だった。そんな後味悪い夢を追い払ったのは丁度6時。暗いうちの起床はパリの永い冬を思い出す。
一両日の寒さが和らいだのは、雨の所為だろう。薬缶に湯を沸かすと、にわかにガラスが曇った。

今年はご不幸が多いと数えていたら、我が家で葬儀を出す羽目になった。
その事後処理に愚図愚図している間に、今日はまた父がお世話になった方の告別式で、父を見送ったのと同じ葬祭場へ出かけねばならぬ。
父の葬儀で誂えた黒のスーツの活躍は心外である。

今宵はとあるミュージカルのパーティーがあるし、日曜は友人の結婚式が控えている。何とか散髪の隙を見つけようと頭を捻るが、公私に山積する仕事にかような谷の時間は見いだせない。

読書は途中で、音楽も響かず、テレビは陰鬱だが、食欲だけは落ちない自分に感心している。