サッシ(窓)2本のご注文。
田中邸は老夫婦がお二人で住んでいる4部屋程度ある平屋の一戸建てだ。
今回の改修はキッチン周りの改修だ。
外壁の張り替えや流しの交換の工事で、そのついでに窓2本も付け替える工事だ。
当然ご夫婦は工事中も生活するので家にサッシを取り付けるための穴(開口)を開けたら、その日のうちにサッシを取り付けて、開口をサッシで潰す必要がある。
開口を作るのは木工事なので大工さんの仕事だ。
タイムロスをなくすためそのまま大工さんが取り付けたほうが能率がいい。
その場にサッシがあれば開口寸法も間違えない。
土曜日に現場にサッシを納品すると、まる一日(日曜日)サッシを活きた現場に置きっぱなしになる。
ご夫婦の邪魔にならないだろうか?
身体に当たって怪我をしないだろうか?
その時サッシが倒れて壊れないだろうか?
気をまわした結果、
「月曜日の朝一の納品がベストだ。」そう思った。
気をまわしすぎた。
通常の建築屋さんならサッシが組み上がったらそこの倉庫に即納品だ。
その方が建築屋さんもモノがあれば安心するし、こっちも納品のタイミングの心配がない。
しかし、多村組は土木屋だ。
大工さんはもちろん外注。
朝、大工さんは多村組の倉庫から現場に行く訳ではない。
納品の理屈を言ってもこの社長には自分の倉庫から現場までサッシを運ぶ手間を惜しんで煙たがれるだろう。
そういったことから月曜日の朝一の納品を選択した。
いい打合せだと思った。
大工さんが日曜日に現場に入るとは聞いてないし、予想しなかった。
日曜日に入って、工事が進んだので大工さんがサッシを欲しがったのだろう。
土曜日に(それか金曜日)日曜日から現場に入ると大工さんに社長は言われたはずだから、
その時、
「日曜日にサッシが必要になってくるな。」
とあの社長では考えつかなかったのだろう。