④現在の財務状況
では、現在(H16年度)の○○市の財務状況はどのようになっているのでしょうか。
財務状況を示すおおまかな数値(H16年度・普通会計)を下記に示します。
歳入
自主財源(地方税収入等) 88億 (36%)
依存財源(交付金等) 157億 (64%)
計 245億 (100%)
歳入のうち約64%を国や県からの交付金が占めています。
この交付金は将来的には減額される見込みです。
また、人口が減少すれば税収も減少します。
歳出
義務的経費(人件費・公債費等) 104億(45%)
投資的経費(建設費等) 52億(23%)
その他 (物件費・繰出し費等) 74億(32%)
計 230億(100%)
義務的経費のうち、議員、委員、職員等の人件費に54億
借入金返済等(公債費等)に33億
支払われています。
合計で87億になります。
ちょうど歳入のうち、税収等の自主財源にあたるくらいの金額が、
人件費、公債費等で、歳出されている勘定になります。
(追記)
見慣れない文言が多くてわかりにくいかもしれませんので、家庭(自営業)の場合に置き換えて考えてみたいと思います。
収入(一年間) お父さんの稼ぎ 88万円
実家からの援助 157万円
合計 245万円
支出(一年間) 家族の生活費 54万円
銀行への返済 33万円
生活必要予備費 17万円
仕事の材料費 52万円
仕事必要経費 74万円
合計 230万円
実家からの援助(つまり、国家からの交付金)がないと生活ができないような家庭だ、ということがわかります。
自営業のお父さんの稼ぎ(○○市の自主的な稼ぎ)だけだと、食費等の生活費と銀行の返済で終わってしまい、自営業を営むために必要な材料や道具が揃えられないような状態です。
これは特別に○○市に限定されるわけではありません。
日本全国の平均的な地方都市の姿でもあるようです。
意地悪な見方をすれば、交付金により国家が地方自治体をコントロールしている、ということもできると思います。
もし逆らったりすると交付金を減額するぞ!、と、言っているのかもしれません。
(お役人の世界のことなので、詳しいことはわかりませんが・・・。)
以前はよく「親方日の丸」と言う表現をしていました。
「資金的に行き詰ったりしても、親方(日の丸日本国政府)が支援してくれるから大丈夫。」と、いう意味で使っていました。
自主財源(88万円)のおよそ1.8倍の交付金(157万円)が政府から支給されるような状態なので、本当に「親方日の丸」に「おんぶに抱っこ」です。
北海道夕張市の破綻ニュース以後、あまり聞かなくなったように思いますし、また、現在は事情が変わって、アベノミクスで景気浮揚策を次から次へと出しているので、当面、市の財政は潤っているように感じられます。
しかしながら、万が一景気が浮揚しない場合には、借入金ばかりが残ることとなります。
国家として生き抜くためには、なんとしてもGDPを増やさないといけません。
(参考 マイブログ 7月30日 財務省⑤結果を出す http://ameblo.jp/sisyamo-imurasyachyo/entry-12055148292.html )
アベノミクスで「地方創成」として地方自治体の自主性を尊重する政策を打ち出しています。
地方を元気にするためには、
①自主性を尊重する
②予算をつける
③人材を発掘する
④個性を発揮させる
⑤競わせる
この程度の自由くらいは与えないと難しいと思います。
何もかもお上がコントロールしようといった姿勢では、変化の激しい21世紀を生き抜くことは難しいように思えますが、また、(沖縄のように)自由を与えすぎて迷走されても困ってしまいます。
このあたりが運営の難しいところでもあり、トップの腕の見せ所でもあると思います。