姑蘇城外太陽広場酒店 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

○蘇州と言えば、寒山寺である。なかでも、張継の名作「楓橋夜泊」詩は、誰でも知っている。2015年11月に蘇州を訪れた時に、次のブログに書いている。

  ・テーマ「蘇州漫遊」:ブログ『張継:楓橋夜泊』

  張継:楓橋夜泊 | 古代文化研究所:第2室 (ameblo.jp)

○その中で、次のように書いている。

  ・張継の「楓橋夜泊」詩がどんなものか。案内しないではいられない。
    【原文】
        楓橋夜泊
          張継
      月落烏啼霜満天
      江楓漁火對愁眠
      姑蘇城外寒山寺
      夜半鐘声到客船
    【書き下し文】
        楓橋夜泊
          張継
      月落ち烏啼き、霜天に満ち、
      江楓漁火、愁眠に対す。
      姑蘇城外、寒山寺、
      夜半の鐘声、客船に到る。
    【我が儘勝手な私訳】
      月が沈み、烏が鳴き、霜の降りる気配が空に満ち満ち、
      川辺には楓樹が生え、漁火が燃えているのが見える中、なかなか私は眠れない。
      姑蘇城の外、寒山寺から、
      夜中を告げる鐘の音が、私の船の中まで聞こえてくる。

○2023年9月12日は、姑蘇城外の太陽広場酒店で目覚めた。ここから西へ3㎞で寒山寺だから、寒山寺は極めて近い。ただ、私の部屋は東向きだったので、望むことはできなかった。代わりに、私の部屋からは、蘇州の街並みが広がって見えていた。

○すぐ眼下の通りが上塘街で、それを東へ200mも行くと、姑蘇城阊门になるし、上塘街を西へ真っ直ぐ行くと、3㎞で寒山寺だと言うことになる。昨日の夜、歩いた山塘街も見えていたし、渡僧橋も確認できた。

○その姑蘇城阊门の先に、七重の塔らしき、立派な塔が確認された。方角と塔の形容からして、北寺塔であるようだった。この日、偶々、北寺塔は後で見学することになる。

○また、遠方には、蘇州の中心街と思しき高層ビル群が聳えているのも見えた。ただ、残念なことに、少し靄っていて、はっきりとは見えなかった。

○ちなみに、中国の検索エンジン、百度百科が案内する蘇州は、次の通り。

      苏州市

苏州市,简称“苏”,古称姑苏、平江,江苏省辖地级市,特大城市,是上海大都市圈苏锡常都市圈重要城市,国务院批复确定的长江三角洲重要的中心城市之一、国家高新技术产业基地和风景旅游城市,位于华东地区、长江三角洲中部、江苏省东南部,东傍上海,南接浙江,西抱太湖,北依长江。截至2022年,苏州市下辖5个区、代管4个县级市面积8657.32平方千米,常住人口1291.1万人,城镇化率82.12%。

苏州是中国经济最活跃的城市之一。1994年由国务院批准设立的苏州工业园区被誉为“中国改革开放的重要窗口”。2023年,苏州4县市全部进入全国百强县前十,其中昆山连续18年居全国首位。

苏州是首批24座国家历史文化名城之一,著名的江南水乡,有“人间天堂”的美誉。苏州城始建于公元前514年,距今已有2500多年历史。公元589年,隋文帝取姑苏山之名将“吴郡”改为“苏州”。苏州姑苏区为全国首个国家历史文化名城保护区。从春秋伍子胥建阖闾大城至今,苏州城保持着“水陆并行、河街相邻”的双棋盘格局,以“小桥流水、粉墙黛瓦、史迹名园”为独特风貌。以拙政园山塘街为代表的苏州古典园林中国大运河苏州段被列为世界文化遗产,以周庄古镇为代表的江南水乡古镇被列入中国世界文化遗产预备名单,太湖绝大部分景点分布在苏州境内。作为“江南文化”的核心载体,苏州孕育的昆曲评弹园林苏绣,已成为世界辨识中国的鲜明符号。

  苏州市_百度百科 (baidu.com)

○寒山寺が存在するのは、京杭運河の畔になる。張継が訪れたのは、月落ち、烏の啼き、霜の天に満つる夜のことだった。寒くて風が強く、岸辺の楓木は風に揺らめき、船も揺られて、おまけに、あちこちで漁火も焚いているのが見えるから、なかなか寝付けない。

○ここは姑蘇城外で、寒山寺が近いところになる。なかなか寝付けないでいると、夜中に寒山寺で鐘を突く音が聞こえて来た。ここは寒山寺近くなはずのに、意外と鐘の音は遠くに聞こえた。鐘の音は空を飛んで行くのだろうか。

○2023年9月11日、姑蘇城外の太陽広場酒店に泊まった。姑蘇城外で、姑蘇城阊门までは200m、寒山寺までは3㎞の距離である。当然、寒山寺の鐘の音は届くはずだが、熟睡して、何も聞いていない。ここが詩人と凡人との差異である。