○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、張公庠の『宮詞(其九)』詩である。
【原文】
宮詞(其九)
張公庠
北斗回杓欲建寅
宮嬪排備立春時
鐫花貼子留題處
只待金鑾學士詩
【書き下し文】
宮詞(其九)
張公庠
北斗は杓を回して、寅を建てんと欲し、
宮嬪は排備す、立春の時。
鐫花貼子の題を留むる處、
只だ待つ、金鑾學士の詩を。
【我が儘勝手な私訳】
北斗七星の柄杓が寅の方角を指そうとすると、
帝王の侍妾たちは、立春の準備に忙しい。
宝幡や彩勝、金縷などを飾るところでは、
只だ、学士先生の金字飾りの対聯・楹聯を待つばかりである。
〇張公庠が如何なる人物であったか。中国の検索エンジン百度の『百度百科』が案内する張公庠は、次の通り。
张公庠
张公庠(生卒年、籍贯不详),字元善。宋仁宗皇祐元年(1049)进士。神宗熙宁中,为著作佐郎。
哲宗元符三年(1098),以朝议大夫、尚书都官员外郎知晋州,改苏州。有《宫词》二十余首。
https://baike.baidu.com/item/张公庠/481217?fr=aladdin
〇張公庠が如何なる人物であったか。外国人である私には、その詳細を知ることは難しい。ただ、上記した張公庠の『宮詞(其九)』詩を読むと、張公庠が相当な道士であったと判断するしかない。それ程、張公庠の『宮詞(其九)』詩は、魅力的な詩である。
〇対聯・楹聯については、以下を参照されたい。
・書庫「天台山国清寺」:ブログ『楹聯』
https://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/36536684.html