○前回案内した、廖行之の『立春二首(其の一)』詩に引き続き、今回は『立春二首(其の二)』詩の案内である。
【原文】
立春二首(其の二)
廖行之
曉雪才過天氣清
喧闐鉦鼓喜迎春
世間多少虚名事
彩仗驅牛又一新
【書き下し文】
立春二首(其の二)
廖行之
曉に雪の才過すれば、天氣は清く、
喧しく鉦鼓の闐ちて、迎春を喜ぶ。
世間には、多少、虚名の事あるも、
彩仗驅牛、又一新す。
【我が儘勝手な私訳】
明け方に雪が降り止んだので、今朝の天気は晴れで清々しく、
喧しい程、鉦や鼓を叩いて、春が来たことを喜び迎える今朝である。
世の中には結構、実が伴わず評判や名声だけの虚名が多いけれども、
色鮮やかな旗幟や傘、扇、槍などを飾り、土牛を叩いて、気分一新、新しい年を迎える。
○作者である廖行之についても、ここで触れておきたい。『百度百科』が案内する廖行之は、次の通り。
廖行之
廖行之(1137~1189) ,字天民,号省斋,南宋衡州(今湖南省衡阳市)人。孝宗淳熙十一年(118
4)进士,调岳州巴陵尉。未数月,以母老归养。告满,改授潭州宁乡主簿,未赴而卒,时淳熙十六
年。品行端正,留心经济之学。遗著由其子谦编为《省斋文集》十卷,已佚。
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