杜牧:揚州三首 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○揚州では杜牧を忘れることも出来ない。杜牧は揚州に833年から3年間居住し、その後837年にも揚州を訪れている。その杜牧に「揚州三首」詩がある。

      揚州三首
        杜牧
    煬帝雷塘土,迷藏有舊樓。
    誰家唱水調,明月滿揚州。
    駿馬宜閒出,千金好暗游。
    喧闐醉年少,半脫紫茸裘。

    秋風放螢苑,春草斗雞台。
    金絡擎雕去,鸞環拾翠來。
    蜀船紅錦重,越橐水沈堆。
    處處皆華表,淮王奈却回。

    街垂千歩柳,霞映兩重城。
    天碧台閣麗,風涼歌管清。
    纖腰間長袖,玉佩雜繁纓。
    柂軸誠為壯,豪華不可名。
    自是荒淫罪,何妨作帝京。

○ここでは、杜牧「揚州三首」のうち、其一を案内したい。

  【原文】
      揚州三首 其一
        杜牧
    煬帝雷塘土
    迷藏有舊樓
    誰家唱水調
    明月滿揚州
    駿馬宜閒出
    千金好暗游
    喧闐醉年少
    半脫紫茸裘

  【書き下し文】
      揚州三首 其一
        杜牧
    煬帝、雷塘の土、
    迷藏、舊樓有り。
    誰が家ぞ水調を唱ふる、
    明月の揚州に滿つ。
    駿馬は閒出を宜び、
    千金は暗游を好む。
    喧闐は年少を醉はせ、
    半脫す、紫茸裘。

  【我が儘勝手な私訳】
    隋の煬帝は亡くなって、揚州北部、雷塘の土と化し、
    その御陵には、今では古い楼が建っている。
    何処からともなく、隋の煬帝が創った「水調」の調べが聞こえて来て、
    明るい月が煌々と揚州の町を照らし出している。
    名馬はのんびりした外出を喜ぶし、
    金持ちは夜遊びが好きなものだ。
    揚州の喧噪は若者を夢中にさせて、
    お洒落な革服を脱がせ彷徨わせて止まない。

○「揚州三首」詩の中の若者は、杜牧であるに違いない。杜牧は存分に揚州を謳歌している。それほど揚州を楽しみ、揚州に詳しい。

○本ブログでは、これまで杜牧詩をいくつか案内している。
  ・書庫「岳陽・武昌」:ブログ『杜牧:寄牛相公赴黄鶴樓崔侍御宴』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38192187.html
  ・書庫「九華山・黄山」:ブログ『杜牧:清明』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38400608.html
  ・書庫「九華山・黄山」:ブログ『杜牧:郡樓望九華』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38425452.html
  ・書庫「六朝古都:南京」:ブログ『杜牧:江南春』
  http://blogs.yahoo.co.jp/yan1123jp/38710268.html