廬山:三叠泉 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○廬山を代表する風景と言えば、何なのだろうか。廬山は巨大な山塊であって、その各所に自然美を有するし、随所に歴史的文化遺産が散在している。あまりにその数は多く、廬山の代表的見物を周遊するだけでも、優に三日から五日は要するに違いない。

○それを僅か一日で済ませようと言うのだから、何とも貧乏な旅である。それでも、何とか廬山の空気が吸え、廬山の雰囲気に浸ることが出来ただけでも有り難い。日本の多くの文人達が嘗て幾ら憬れたところで目にすることの出来なかった風景が、今、私の目の前に広がっている。

○そういう感激の中、巡回バスは最終、三叠泉站に到着。ここに来る前、登峰門の峠から三叠泉站付近を見下ろすことが出来たが、三叠泉站付近には青蓮寺の諸宇諸塔が黄金色に輝いて見えていた。

○三叠泉站から先はケーブルカー(鋼索鉄道)に乗る。朝が早いからか、乗客はほとんど居ない。ケーブルカーが出るまでに10分ほど待ったが、乗車したのは5、6名だった。待合所にあった案内板には、
  ・上駅:992
  ・下駅:839
  ・運行距離:1492
  ・運行時間:280秒
とあった。だから、乗車する時間は5分足らずである。

○ケーブルカーが出発したのは、ちょうど10時であった。私は最初に乗ったので、一番前の席を確保できた。ケーブルカーであるから、音もなく谷間を滑るようにしてドンドン降りて行く。ケーブルカー脇には歩道が見えるから、歩いても行けるのであろう。大自然の中、心地よい時間であった。

○5分後には下駅に到着。降りると崖を這うように石段が続いている。どうやら、一旦上へ登った先に三叠泉は存在するように感じられた。観光客の後に従ってその石段を登る。

○実は、これがとんでも無い勘違いであったことは、後から判った。石段は50辰曚錨个辰燭箸海蹐ら下りになっていた。それで直に三叠泉なのだろうと、高をくくっていた。ところがその石段は何処までも続いているのだった。行けども行けども三叠泉はまるで見えて来ない。

○途中、四阿があって、しばらく休憩した。おそらく四阿まで標高差300辰浪爾辰討い襦よくもこんなところに、こういう立派な石段を設置したものだと感心する。流石、万里の長城を築いた民族だと驚くばかりである。

○最初は観光客の後を付いて行っていたが、結局、四阿あたりでは先頭になっていた。その四阿には観光客目当ての物売りが数人たむろしていた。暗黙の了解があるのか、物売りは誰も観光客に声を掛けない。売っているものは首飾りとか小さなお土産品である。それに飲料水とかジュースの類。ここまで運んで来るだけでも大変だろう。

○私はリュックの両脇に2本飲料水とジュースを持参しているので、それを飲んだ。四阿から谷を挟んで巨石が姿を見せている。それがまた実に壮大である。谷はまだまだ下へ続いている。それこそ奈落の底まで続いているような谷であった。

○四阿から標高差100辰曚媛爾砲笋辰斑底が存在した。先程の巨石はこの上の岩であった。そこから少し行ったところから右手に滝が初めて見えて来た。それが三叠泉であった。

○見えてから、更に標高差200辰曚媛爾襪函△笋辰隼叠泉の真下に出る。おそらくケーブルカーの下駅から、ここまで標高差600辰浪爾辰討い襦山登りで、何度も急な斜面を登っているが、これほど厳しい登りは経験したことが無い。第一、標高差600辰發△觴侈未蓮¬蚤燭北気い里任呂覆い。

○そういう石段を、ごく普通の観光客が歩いている。それがまた何とも不思議であった。見ていると靴は普段履きの靴とか運動靴である。それであの斜面を下るのは大変だろう。老若男女、誰もがフウフウと喘ぎながら下っていた。

○私は旅の最初から登山靴である。悪路でも大丈夫だし、雨にも強い。もともと行くところが辺鄙な寺とか観光地が多い。だから、足元だけはがっちり固めて歩いている。それにリュックには、ほとんど使うことの無い折り畳み傘と登山用の雨具まで入っている。万一、山中で土砂降りの雨に遭っても大丈夫である。それに雨具は防寒具にもなるので重宝である。リュックの中も濡れないように、町指定のゴミ袋の中に収めてある。夜になってもLEDヘッドライトも持参している。

○大変な苦労をして辿り着いた三叠泉であった。ここまで降りてくる人に拍手喝采を贈りたい道程であった。見上げる三叠泉は、それに十分応えてくれるだけの荘厳さがある。兎に角高く、兎に角大きい。見る者を圧倒する迫力があった。誰もが滝を見上げ、誰もが満足している。

○ちなみに、中国の検索エンジン百度の百度百科「廬山」の項目の、『著名景観』で、案内する三叠泉は、次の通り。

      三叠泉
   三叠泉位于九江市庐山东南九叠谷,经环庐山旅游公路可达,距九江市26公里。它集险峰怪石、飞瀑
  流泉为一体,属于山丘型旅游地。同时,三叠泉位于五老峰下部,飞瀑流经的峭壁有三级,溪水分三叠
  泉飞泻而下,落差共155米,极为壮观,撼人魂魄。 三叠泉每叠各具特色。一叠直垂,水从20多米的巅
  萁背上一倾而下;二叠弯曲,直入潭中。“上级如飘雪拖练,中级如碎玉摧冰,下级如玉龙走潭。”
  站在第三叠抬头仰望,三叠泉抛珠溅玉,宛如白鹭千片,上下争飞;又如百副冰绡,抖腾长空,万斛明珠,
  九天飞洒。如果是暮春初夏多雨季节,飞瀑如发怒的玉龙,冲破青天,凌空飞下,雷声轰鸣,令人叹为
  观之。(三叠泉门票64元/人)
   相传,宋绍熙二年(1191)始被樵者发现,故有“一朝何事失扃钥,樵者得之人共传”的诗句。20世
  纪80年代初期开始进行旅游开发,2001年11月经国家林业局批准为国家森林公园。

○これに拠れば、三叠泉が発見されたのは「宋绍熙二年(1191)」だと言う。それなら李白や白居易はこの絶景を目にしていないことになる。

○別に、「庐山旅游攻略:百度旅游」が案内する三叠泉は、次の通り。

      三叠泉
   三叠泉又名三级泉、水帘泉,位于江西省著名风景区庐山风景区中。
   古人称“匡庐瀑布,首推三叠”,誉为“庐山第一奇观”,由大月山、五老峰的涧水汇合,从大月山
  流出,经过五老峰背,由北崖悬口注入大盘石上,又飞泻到二级大盘石,再喷洒至三级盘石,形成三
  叠,故名;
   立于泉下盘石向上仰观,但见抛珠溅玉的三叠泉宛如白鹭千片,上下争飞;又如百幅冰绡,抖腾长空;
  万斛明珠,九天飞洒。经阳光折射,五光十色,瑰丽夺目,恰似银河九天飞来。立于”观瀑亭”可又俯
  视三叠。听瀑鸣如击鼓,吼若轰雷;见瀑像喷晶抛珠,水洒溅玉,连垂素练,落入深谷。仰看与俯视各
  蔚壮观,自成美趣,故有“不到三叠泉,不算庐山客”之说。

○まさに『匡庐瀑布,首推三叠』が三叠泉であり、『庐山第一奇观』が三叠泉だと言うのは納得できる話である。三叠泉の滝壺横で、呆然と三叠泉を眺め、その景色を存分に楽しんだ。