大徳寺一久 | 古代文化研究所:第2室

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ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

◯京都紫野の大徳寺を訪れたのは、2023年1月29日のことだった。2022年2月3日以来、一年振りのお参りである。大徳寺は、以前から非常に気になってはいたが、なかなか訪れる機会が無かった。一回訪れると更に気になることが増えて、今回、再び訪れた。

◯ただ、それで終わりかと言うと、決して、そうではない。逆に、いろいろと考えさせられることが多々増えたに過ぎない。おそらく、何度、訪れても満足することはできない。それ程、見所の多い寺である。

◯その大徳寺の総門前に、店を構えるのが『大徳寺一久』である。インターネットで検索すると、次のホームページがヒットした。

      大徳寺一久

      大徳寺納豆でおなじみの大徳寺一久

  【御挨拶】

宋元の昔中国の料理法が彼我の禅僧方に依って吾が国に将来されて已に七百年を経過いたしました 其の間日本の方の好むところと融け合ひまして倍々その持ち味を美しくしてまゐったので御座います

殊に茶の本山と云われる紫野大徳寺の和尚様方より辛甘鹹酸苦の五味の案排の秘法を授かり名も一休禅師より一久と給りしと言伝へ大徳寺精進料理方として五百有余年を過してまゐりました

精進とは求法精進の謂れでありまして食は飢を凌ぐ程が形枯を療せんが為にと申されては贅沢は許されずしかも一飽能く万劫の飢えを消せしむる禅味に通ずるものではならない魚肉などの濃艶さは無くとも素朴なあじの内に百味具足せしめねばならぬと教へられてまいりました

這の歴史と伝統を誇る一久がつくります精進料理はたとへそれが野菜根豆腐等の枯淡なるものとは申せ上来の禅味をふくんで捨て難きものである事を自から信じてをるもので御座います

大方風雅の諸賢何卒這の大徳寺精進料理に醍醐味を御味ひ下さいませんか其の悦びは寔に野菜根のみでは御座いません(御注文のみ調理いたします)

お土産に、大徳寺納豆をぜひお求めください

 

◯この大徳寺一久主人の御挨拶を読むだけで、大徳寺一久及び、大徳寺納豆がどういうものかが良く判る。何とも丁寧な御挨拶である。そのホームページが案内する「大徳寺納豆」は、次の通り。

  【大徳寺納豆】

大徳寺一久は、大徳寺納豆の登録商標を持つ、大徳寺御用達の店。昔ながらの手作りの逸品。是非、幽玄味を御賞味下さい。

宋元の昔中国から禅僧に依って我国に持ち帰られ其の秘法を一休禅師より授りその名も一久と給わりましてより五百有余年を経て参りました。

其の間時代の移り変わりと共に一久の代々が研究と工夫を重ねて今日の大徳寺納豆を完成するにいたりました。

主材料は大豆を以ってし天然加工に依りますので腐敗することなくお茶席に又飯の菜に酒の友に調味料としてもお使いいただけ其の風味は大方嗜好家に格別の禅味なるを賞せられて居ります。