故宮博物院:翠玉白菜 | 古代文化研究所:第2室

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ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

○2019年7月28日、台北の国立故宮博物院へ出掛けた。開館は9時で、8時40分には着いていた。お陰で、一番に見学することができた。

○列に並んだ際、前の中年男子がるるぶトラベルを見て勉強していた。ここでの最大の見物は翠玉白菜と肉形石だとおっしゃる。人気があるので、人が集まる前に、最初に見学するのが良いと助言してくれた。有り難いお言葉である。そのままそれに従うこととした。

○翠玉白菜が陳列されているのは、四階の巧彫玉石展だと言う。入館したら、他の人は切符を求めに行ったが、私は前日に嘉義市の故宮博物院南部院区を見学している。その切符を持参すれば、そのまま見ることができると言うので、切符も不要で、三階の巧彫玉石展には一番に行くことができた。

○何も知らないので、まず、翠玉白菜について。国立故宮博物院のHPでは、次のように案内している。

      清 翠玉白菜

「清 翠玉白菜」の材料は白色と緑色が半分ずつ混じった翠玉(翡翠)で、もし一般の容器や腕輪、帯飾りなどを作ったのでは、亀裂やまだら模様があるため、瑕疵の多い劣材としか見なされなかったでしょう。しかし、玉匠は白菜という造型を思いついたのです。緑色を葉先、白色を茎とし、亀裂は葉脈の中に隠し、まだら模様は霜にあたってできた跡としました。衆人の目に欠陥と映ったものが、創作者の入念な創意工夫により、真実と美に変化したのです。

この作品はもとは永和宮に陳列されていたことから、白菜は永和宮で暮らしていた光緒帝の后妃、瑾妃が所有していたものと考えられています。このため、潔白を寓意する白菜は花嫁の純潔を象徴し、多産を寓意する葉先にとまった二匹の虫は皇室に子孫が絶えないことを祈願するものと解釈され、作品に込められた意味は非の打ち所のないものとなりました。

今回の展示では、あっと驚く仕掛けを用意しています。映像によって故宮博物院成立以前の民国十四年(1925)当時、「翠玉白菜」が琺瑯の小さな植木鉢に植えられていた姿を復元します。清朝宮廷の「盆景」という元来の姿には、またひと味違う格別の趣があります。

  https://www.npm.gov.tw/exh99/jade/2_jp.htm

○教えていただいた通り、何とも立派なものであることに驚いた。まさに、「ははあ、なるほど、ごもっとも」と感心するしかない代物である。あまりに素晴らしいと人は言葉を失う。そんな作品である。これは世界中、何処に在っても、疑いのない至宝である。

○翠玉白菜を賛美する表現は、インターネットで検索すれば、幾らでも出て来る。しかし、国立故宮博物院のHPのものが秀逸であることは間違いない。