故宮博物院南部院区:穿上亜洲 | 古代文化研究所:第2室

古代文化研究所:第2室

ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

○台湾嘉義市の故宮博物院南部院区を案内している。2019年7月27日は、終日、故宮博物院南部院区で過ごした。何しろ、念願の故宮博物院である。見るもの全てが新鮮に感じられた。今回は第4回で、穿上亜洲がテーマとなる。故宮博物院南部院区で、そういうテーマで展示してあった。それに倣って案内している。

○穿上亜洲の日本語案内文には、次のようにあった。

         穿上亜洲

   ~アジアを身にまとうー織物の交流と想像~

   織物、それは繊維から作られ、衣服を縫製するための重要な材料です。工業革命以前、

  針仕事は家庭内で不通に行われていたものでしたが、今では自分で裁縫をすることもなくなり、

  織物は最も身近な存在から遠い素材となってしまっています。古代のアジアにおける布地は、

  その紡績や染織の違い、または装飾文様などの特徴により、それぞれに秘められた文化や

  宗教、性別、さらには職業などの情報を読み解くことができます。殊に興味深いのは、時空や

  地域を超えた美しさへの感性ー古代の流行の広まり方は、私たちの想像を超えてはるかに

  早いものでした。魅力的な事物には誰もがこぞって追随するということなのでしょう。中国は

  光沢の美しいシルクで名を馳せ、金の如く貴重なものとされただけでなく、絹織物は東アジア

  文明の象徴ともなりました。また、南アジアのインドでは、綿布に模様染めを施した世界に

  冠たる更紗(さらさ)を生み出し、世界の人々を魅了して止まず、世界的な綿紡績革命をも

  促しました。地域を超えた織物の旋風がもたらしたのは、商機はもちろん、それ以上に文化の

  影響力でした。インド洋から太平洋にかけて島々が綿々と数千キロも連なるインドネシアでは、

  四方八方から伝わった異国の文化が交わり、流転し、そして時期がやってくると、再び他地域へと

  伝播されていきました。

   本展覧は、当博物院が所蔵する中国、日本などの東アジア文化圏、およびインドや

  インドネシアなどの南アジア、東南アジア文化圏の織物や服飾を中心に、「千絲ー東アジア 

  超絶の織物技術」、「躍動ー南アジア・東南アジア 華やかな模様染め」、「流転ー装飾工芸の

  地域を超えた伝播と影響」を三大テーマに、各文化圏の織物と服飾の特色をご紹介するとともに、

  貿易にともなう織物の地域を超えた交流と想像について掘り下げていきます。また、教育促進

  エリアでは「華布ーアジアの織物に見られる装飾技法」を開催し、織物の技法について

  わかりやすくご紹介します。

○なかなか見ごたえのある展示である。日本のものも多く展示してあって、物が良いのに感心した。日本でもなかなか見ることのできない展示品ではないか。つい、日本の作品が多くなってしまった。