行書黄州寒食詩巻(寒食帖) | 古代文化研究所:第2室

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ブログ「古代文化研究所」で、書き切れなかったものを書き継いでいます。

○前回のブログ『东坡赤壁・東坡赤壁』に書いたように、私が黄州を訪れたのは『东坡赤壁・東坡赤壁』を訪れるためであった。それは蘇軾文学の原点が黄州にあると判断するからである。このことは、多くの識者が論じていることなので、私だけのことではない。

○そのことについては、これまでも何回か書いて来ている。ここでは良い機会でもあるので、ついでにそれを整理してみたい。今回はその第1回として、『行書黄州寒食詩巻』を取り上げたい。もっとも、中国では、単に『寒食帖』と呼んでいるらしい。

○まず最初に日本のウイキペディアフリー百科事典が案内する『行書黄州寒食詩巻』から見てみたい。

      行書黄州寒食詩巻

行書黄州寒食詩巻(ぎょうしょこうしゅうかんじきしかん)とは、北宋の詩人蘇軾の書。寒食帖(かんじきじょう)ともいう。

蘇軾が筆禍事件(烏台詩案)により黄州へ流罪となり、同地で3度目の寒食節を迎えて身の不遇を嘆いた詩2首を、縦34.2センチメートル、横199.5センチメートルにわたる紙本に墨書したものである。現在は台北市にある国立故宮博物院の所蔵である。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E6%9B%B8%E9%BB%84%E5%B7%9E%E5%AF%92%E9%A3%9F%E8%A9%A9%E5%B7%BB

○中国の検索エンジン「百度百科」が案内する『寒食帖』は、次の通り。

      寒食帖

《寒食帖》又名《黄州寒食诗帖》或《黄州寒食帖》。是苏轼撰诗并书,墨迹素笺本,横34.2厘米,纵18.9厘米,行书十七行,129字,现藏台北故宫博物院,那时苏轼因宋朝最大的文字狱,被贬黄州第三年的寒食节作了二首五言诗:“自我来黄州,已过三寒食。年年欲惜春,春去不容惜。今年又苦雨,两月秋萧瑟。卧闻海棠花,泥污燕支雪。暗中偷负去,夜半真有力,何殊病少年,病起须已白。”;“春江欲入户,雨势来不已。小屋如渔舟,蒙蒙水云里。空庖煮寒菜,破灶烧湿苇。那知是寒食,但见乌衔纸。君门深九重,坟墓在万里。也拟哭途穷,死灰吹不起。”

https://baike.baidu.com/item/%E5%AF%92%E9%A3%9F%E5%B8%96/28956?fromtitle=%E9%BB%84%E5%B7%9E%E5%AF%92%E9%A3%9F%E8%AF%97%E5%B8%96&fromid=2768757&fr=aladdin

○『行書黄州寒食詩巻(寒食帖)』については、ウイキペディアフリー百科事典にも百度百科にも詳細な説明・解説を載せているので、詳しくはそちらを参照されたい。また、台北市にある国立故宮博物院へは去年の7月に訪れたが、残念ながら、『寒食帖』の展示はなかった。

○なお、当古代文化研究所では、『行書黄州寒食詩巻』については、2016年5月20日に、次のブログに書いている。

  ・テーマ「寒食・清明・立春」:ブログ『行書黄州寒食詩巻』

  https://ameblo.jp/sisiza1949/entry-12519970084.html?frm=theme

○ついでながら、テーマ「寒食・清明・立春」は最近整理したばかりである。寒食・清明詩について75首、立春詩については99首をまとめて整理している。読んでいただくと、中国に於ける寒食・清明詩や立春詩の隆盛が理解できるのではないか。