桂川と鶴川合流点の西側の段丘上に建つ正法寺が一帯が松留館跡です
四方津御前山から延びる尾根の延長線上の台地端に位置します
上野原の中心的な城である内館は鶴川を挟んだ北に位置します
周辺には栃窪、鶴島御前山といった烽火台も存在します
甲斐と相模の国境にあたる地域です
松留館は水陸交通の監視を目的としていたのでしょう
地名もそのことを裏付けております
松留の意味は待つ、留める武士が駐屯し監視を行った場所といわれています
遺溝としては本堂裏の墓地に長さ30m、幅の5m、高さ2mほどの土塁が残ります
堀の痕跡もみられます
単郭ではなく正法寺の北側に複郭を備えていたと推定され方形の郭が南北に並ぶ構造です
館の主や歴史などは伝わりません
甲斐国誌には『何人の古跡なることを知らず』と記されております
↓松留館の航空写真(電子国土空中写真1974~78を使用して作図)
参考 松留館跡 上野原市埋蔵文化財調査報告書第4集/ 上野原市教育委員会
甲斐国誌