剣道と筋肉(2) | 指針整体のブログ

剣道と筋肉(2)

2.剣道で鍛えられる筋肉について

基本的に剣道は全身運動ですので、体幹を含めて主要部位は、万遍なく鍛えられます。

中でも特に鍛えられるのは、竹刀を振り下ろす(打ち据える)ことで腕(前腕筋その他)と背筋力(脊柱起立筋や広背筋)が鍛えられます。

また、一瞬の鋭い踏み込みを可能とする足(脹脛と太腿の前後)の筋肉が鍛えられますし、背筋(せすじ)を伸ばした全身運動を通して、腰部や臀部の筋肉が総合的に鍛えられるとともに、腹筋も相応にバランスよく鍛えることができます。



あと、自分の場合は、日々の稽古の成果として、筋肉ではないのですが、肺活量が飛躍的に伸びました。

高一のときでしたかね、測定したら、6000超えだった記憶があります。

昔の肺活量を測る機械って、水を張った半円の金属のボウルみたいなのがどれだけひっくり返るのかで容量を測るタイプのものだったんだけれど、これが全反転して「満開」状態。もう少し、余力があった気がしたけどそれ以上は測れないという事でしたから、もしかしたら、それ以上あったかもしれませんね。

肺活量選手権があったら、そこそこいいところまでいけていたかもしれません(笑)ね。

大して自慢にもなりませんが、自分の場合、小児喘息でして、風邪を引いたりすると、それは苦しい思いをしましたから、肺活量の数値が他人よりもいいというのは、背筋力や握力の数値が図抜けているという以上にうれしかったようで、妙に記憶に残っているんです。



 話を戻します。

一見して、剣道経験者だろうなと思わせる特徴は、とにかく腕が太いことです。

丸太棒のようになります。笑

左右関わらず、男女問わずですから、痩せ体型の人は特に目立ちます。

そういえば、弓道経験者は腕の力瘤が半端ないそうですね。



どうして腕だけが目立って太くなるのか。

これは、竹刀を振り下ろす(打ち据える)ときに使う筋肉と深く関係しているものと考えられます。

上腕二頭筋と三頭筋の重要性はさておき、肘関節をまたいでつながっている腕橈骨筋と手首を屈曲させる筋肉のグループの3つの筋肉(橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長掌筋)と手首を伸展させる筋肉グループの3つの筋肉(長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、尺側手根伸筋)が鍛えられることがことで腕が太くなるものと考えられます。

 更に付記するならば、竹刀を持って腕を上下することに伴い、僧帽筋や肩周りの関節に連動する筋肉群により、腕の筋肉に連なる広背筋が鍛えられますし、脊柱起立筋も鍛えられることになります。



年齢を重ねると握力は低下していきます。しかし、剣道をずっと続けている人の背筋力は衰えません。寧ろ、ある程度までは背筋力は伸び続けるといわれています。



下半身の筋肉について整理します。剣道は、瞬発力を必要とする競技ですが、それを可能とするのが、大腿四頭筋とハムストリングス、脹脛周りの筋肉(ヒラメ筋と腓腹筋)です。

陸上でいうなら、スプリント系に該当するでしょう。

でも、瞬発力を得るためだけの練習などありません。ひたすら、強い踏み込みを意識した稽古あるのみです。



瞬発力でイメージしやすい筋肉は別として、例えば、ハムストリングスは強くて太い筋肉なのだけれども、剣道の動きの中でどういった時に必要となるのかという問いに対して、次のようにわかりやすい回答をしている掲示板の回答がありましたのでこれを付記してこの項を終わります。



右足の場合、踏み込んだあと左足を引っ張り上げるためにふんばるとき使われます。

左足の場合は、床を押したエネルギーを効率よく上半身に伝えるために使われます。





2-2 「主動筋」と「拮抗筋」

剣道で使う筋肉について、前項を書くにあたってネットで鍛えられる筋肉を調べていたところ、「主動筋」と「拮抗筋」の関係について書かれている掲示板サイトを発見しました。

それは、上腕二頭筋と上腕三頭筋の関係について述べているもので、「屈筋」の上腕二頭筋屈筋と「伸筋」の上腕三頭筋だと、剣道は、「腕を伸ばして打つ」ので伸筋のほうが重要だから、上腕二頭筋よりも三頭筋を鍛えるべきという意見に対して、二つの筋肉は、「主動筋」と「拮抗筋」の関係にあり、互いが互いを補いながら機能しているので、セットでバランスよく鍛えることが大切であるという回答をしていました。

やっぱりそうなんだ。と得心した次第。

バランスの良い筋肉の鍛え方は重要だよなと。腹筋だけでなく、その表裏の関係にある背筋もきちんとトレーニングしないといけないよなと、納得しました。



更に「主動筋」と「拮抗筋」についての関連を書いているサイトはないかと調べてみると、次のような表記がありました。

フィットネス ビギナーズノート」というサイトです。以下抜粋します。



筋肉には主動筋と拮抗筋という分け方があります。

1つの動作をする時に作動される筋肉を主働筋といい、その動きと逆に働く筋肉を拮抗筋といいます。

筋肉は縮む(収縮)という動きがありますが、収縮していないときの状態を弛緩といいます。

例えば、肘を曲げる時には上腕二頭筋が主働筋として収縮し、上腕三頭筋が拮抗筋として弛緩します。

それとは逆に、曲げた肘をのばす場合には、今度は上腕三頭筋が主働筋として収縮して上腕二頭筋が拮抗筋として弛緩するのです。

拮抗筋は主働筋が動いている時には弛緩しています。

拮抗筋は弛緩することによって、主働筋の動きを補助し、動作をスムーズに行えるようにしています。

ですからトレーニングを行うときは、主働筋と同じように拮抗筋も鍛えることが大切です。

上腕二頭筋を鍛えたら、上腕三頭筋も鍛える、大腿四頭筋を鍛えたら同じようにハムストリングスも鍛える・・・という感じです。

このように、表と裏をバランスよくトレーニングするのです。

主働筋の動きをよくするためには、拮抗筋を鍛えることがポイントなのです。





「拮抗筋」については、ウィキペディアで調べてみましたら、やっぱり面白い。

そんなに表裏の関係にある筋肉があるのかと。

時間を見つけて調べなおしたいと思います。

筋肉の起始と停止でどの骨と骨をつないでいるのかという観点からみる関係も面白いけれど、この2つの関係も興味をそそりました。