備忘録です。

 

NHKスペシャルでつい最近やっていた「おひとりさま女7人 みんなで一緒にくらしたら」を観た。

 

現在71歳から83歳までのシニア女性達7人で構成。

かつて恋はしたものの現在独身の彼女たちは、ひとつのマンションにみんな個々で部屋を借り、いわゆる「友達近居」で過ごしているらしい。

 

みんなで使える共有スペースがあり、なにかあるとここで集まっておしゃべりしたり。

お互い鍵を預けあって(すごい信頼!)花に水遣りとかしてくれてる。

パソコンが不得意な人が、夜中に仲間にSOSだして手伝ってもらったり。

 

この導入だけ見たとき、わたしなんかは

「うわあ~なんかいいなあ~」と一瞬色めきたってしまったよね。

大学時代から一緒にステージとか作ってきた仲間がいるから、よくこんな妄想をしたわ。

みんなで将来は同じマンションに住んで、行き来が出来たらこんな楽しそうなことはないなと。

 

ここに出てくる人達はもとコピーライター、民間の広報、カウンセラーとか、

それぞれちがった経歴の持ち主が集まってる。

 

「一人暮らし始めたら、寂しくて寂しくてしんじゃうと思ったの」

「病気の発作でね、明け方にしんじゃうかもしれない」

同居生活を選んだ根底にあるのは、孤独や漠然とした不安。

 

自分達を「個個セブン」と呼ぶ。

個人だけど孤人じゃない、という意味かな。

マンションに帰ってきたとき、部屋の明かりがついているのを見るとほっとする、という。

 

「遺言書を書いたのよ」

まるでラブレター書いたのよ、と言っているかのようにうきうきと仲間に見せる。

個々セブンの○○さんには、私のこれをあげます、とか。

じゃああなたより長生きしなきゃ~、なんて。

 

死が遠くないと感じるころに、わたしもこんなやりとりをするのかな、などとふと考える。

 

*     *    *    *    *

 

かつて一緒に住んでいた仲間の一人が、ガンの手術で入院をきっかけに別々に。

そしてお見舞いも拒否されてしまう。

 

お見舞いにきてほしくないその真意は

「症状が重いと告げられ、目の前がグレーになった。・・・

そんなとき、元気なひとがやってくる、これほどしんどいことはない」。

 

そのことを聞いた一人が他の仲間に伝えるのね。

彼女の病状に驚くみんな。

「もうすこし立場を慮る必要があったね」

なんか、これが人の輪だよなあ・・・と感じ入る。

 

 

「最初と最後じゃなくて、真ん中くらいで逝きたい。みんなきっとそう思っているのよ。」

 

 

*     *    *    *    *

 

仲良しこよしで、めでたしめでたし、のわけがない。

すこしずつ考え方の違いが見えてきたりもする。

ここからは見ごたえあり。

 

意見がぶつかる。

「どろどろしてますよ」

「一緒にやっていけない」 

「これを壊してはいけないと思う、決定的に怒ってしまえば、そこではい終わり」

「面倒なことに首つっこんじゃったなあ~って。なんでこんなことしてるんだろうとも思う」

 

 

あ~~なんか自分の身におきかえてしまった。

 

大好きだからこそ、自分の思いや考えを分かって欲しい

その思いが通じないことが許せなかったり 

なぜしんどい思いをしてまで、この集団生活を選んでしまったのか、という後悔もきっと本音

だけどこの空間を壊したくない、というのもまた偽らざる本心。

矛盾しているようで、そこにあるのは寄り添いたいという共通の想い。

 

 

それでも彼女達は自分達の選んだ生活を、今までもこれからも続けていく。

勿論なかには途中でいなくなる人もいるだろうが、それは人生それぞれの選択。

 

わたしが妄想する、未来のパラレルワールド(笑)の一つの一端を

垣間見せてもらった番組でした。

 

 

最後に。

 

 

一人のひとがかいた詩の一説が、胸を打ったので。

「かかわらなければ この愛しさはなかった」

 

※後日追記※

すみません、↑の詩はハンセン病患者の詩人、塔 和子(とう かずこ)さんのものだと判明しました・・・わたしが愛読している自由ネコさまのブログを読んで「ぬお!」と。。自由ネコさまありがとう、そしてまさかの同じ主題で書いていることに感動。。そして文章構成力の違いに脱帽。。

https://gattolibero.hatenablog.com/entry/NHK-KOKO7

 

 

 

由比ガ浜の海 (撮影:にいはり かな)