ひきこもりを考えるヒント連載-15

ひきこもりの段階  (仮説)
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【緊急退避】……会社や集団の場など社会の第一線から、とにかく退避する。緊急退避する。それが、ひきこもりの第一段階。


【滞在期・前半】……しかし、何てことをしてしまったのかと青ざめ、煩悶し、ひたすら〝社会常識〟を遮断して過ごす第二段階。ひきこもり滞在期(前半)。
 

【滞在期・後半】……自分だけの世界のなかで、自分だけと四つに組むことで一定の自己整理をしていく、ひきこもり滞在期(後半)。
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仮説について  (つづき)
(4)【滞在期・後半】……ひきこもり滞在期の後半がしっかり過ごせられれば、出口に向かうでしょう。自分だけの世界のなかで、自分だけと四つに組むことで一定の自己整理をしていくことができます。

  ある意味で、これ以上の〝どん底〟はないと思える瞬間に遭遇して、そこから出口への道が見えてくるのだと思います。

 例え話から始めます。
 水に溺れかけた経験はないでしょうか。川とかプールで泳いでいて、不意に水を飲んでしまったり、足が引きつってしまったり。慌ててバタバタもがくが、却って身体は水面から沈んでしまう。と、その時、沈みかけながらも頭か身体のどこかは分からないが、ふっと気がつく部分がある。自分の身体がこれ以上沈まないこと、無意識か本能か分からないが気がつく。そこで気がついて身体の力を抜いてみる。身体は、そこからゆっくりと浮き上がってくる。

 浮く! わずかだけれども自分には浮力がある! 底をついた感覚があり、身を任せてゆっくりと浮き上がっていく。

 このように
自分に備わる〝浮力〟に気づき、それに添って浮き上がりはじめる姿が【滞在期・後半】であると思います。

 今回は例え話でしたが、この【滞在期・後半】について次回でもう少し深めたいと思います。
 (鮮)

※人体は水よりも軽いため、体の2%は必ず浮くということだそうです。

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