科学の力を使うこと 〔暮らしのさんぽみち〕
節分で行われる豆まきで「鬼は外」という「鬼」とは、姿・形を見せずに災いをもたらすということで、元々は「穏・陰(オニ)」と表記されていた。
現在、感染を広げるコロナ・ウィルスも、姿・形を見せずに災いをもたらすという意味で「穏・陰(オニ)」である。では、その見えないものをどうしたらよいか。どうしたら、目に見えるものにして感染に立ち向かえるのか。
新型コロナ・ウィルスのように目に見えない存在は、科学(science)の力を使って目に見えるようにする。目に見えるようにして、共有する。そして、科学的な対策を総動員する。これに尽きると思う。
コロナで言えば、人体感染を見えるものに置き換えるのがPCR検査「陽性」反応。すでに「抗体」化している状態を見るのが「抗体反応検査」。一件でも「陽性」が確認されたら、可能性があるルートを面状に追跡して把握する。一件でも把握できない可能性がある場合、該当する地域・都市・生活形態の状況と経過時間から予測できるコロナ伝播の可能性を数値化して先手を打つ。感染によって重症化する傾向を数値化し、対応する病床・できない病床ならびにマン・パワーのマップ、ネットワークを拡充する……。
……「科学」を突き詰めて考えるべく書き進めていくと、現状との乖離に気が滅入ってくる。
「科学」が優先されるのでなく、別の思惑がチラチラ見えてくるのだ。
「科学」が優先されるのでなく、別の思惑がチラチラ見えてくるのだ。
アメリカでは、この4年間に日本の皆保険制度に似た「オバマ・ケア」が削られ、医療を受けられない貧困層が感染を増大させている。(わかっていたことだ)日本では、皆保険制度があるものの、常態として「儲からない」病院の統廃合と病床削減、保健所と職員の削減が行われてきた。(わかっていたことだ)
わが国の宰相が「仮定のことについては答えかねる」と宣う。最悪も含めての「仮定」を検証する手立てがいま最も求められていることであるのに。戦闘爆撃機と基地建設費で予算化される莫大な血税をコロナ対策費に回すようなことが、いま最も求められているのに。「不要不急」という言葉を、ここでこそ使うべきであるのに。
「政治」について発言するつもりでなく、「科学」を突き詰めるつもりで書いていくと、こうなってくる。別の「鬼」がいるのではないか、と。
……どうしたものか。

