あらためて、『傾聴』について学ぶ ⑧ | SIS日記

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NPO法人SIS(シス)スタッフによるリレー形式の日記です。
「こころが動いたこと」や「共有したいささやかな出来事」など
スタッフの「想い」を定期的に更新していきます。
どうぞお楽しみに!

自らが切り拓いていくことに添う
 
 
 じっくり相手の話に耳を傾けて聴くことが大事だと言われるが、どういうことなのか。どのようにしたら、そういうことができるのか。あらためて、「傾聴」とは何か。どういうことを心がけたり、どういうことに注意したらいいのか。そんな、傾聴研修のようすを報告しています。
 
 前回の、『関わる人との距離感』という「同心円」図の話の続きです。傾聴を行う場合、聞き手はどの位置に立って話を聞くのか、よく意識しておく必要があるということ。
 
 傾聴から離れた話になりますが、この「距離感」が保たれないケースが時折あります。……『パターナリズム・Paternalism』……本人の気持ちや意向にかかわりなく、行動や生活に干渉したり制限を加える考え方。……「ダメっ、こうしなさい!」「私(俺)の言うことを聞いてれば間違いないんだから」というやつですね。まるで保護者であるかのように振る舞うわけです。
 
 根本的に間違っているのは、本人の力や意思・意欲を待たずに口出しすることでしょう。かんたんに「越境」してしまうことです。
 
 傾聴で大事にするのは、絡み合って沈んでいる本人の意思・意欲の「現場」に添い、待って手助けすることだと思います。
 
 はんたいに、話し手・本人が「越境」してくるようなケースもあります。虐待などのトラウマによって、『関わる人との距離感』の輪が切れてしまっていて、傾聴・相談場面での距離感が近くなりすぎてしまうケースです。まるで、会えなかった恋人や家族に再会したかのような、妙な近距離感覚になってしまう。
 
 聞き手が、自らの立ち位置をよく意識しておくことの大切さが、ここにあると思います。でないと、「自分がいないとこの人はダメになるんだ」というパターナリズムに振れ動くことになります。
 
……傾聴講座にて、そんなことを考えました。拙い報告でしたが、これにて終わります。(鮮)