あらためて、『傾聴』について学ぶ ⑥ | SIS日記

SIS日記

NPO法人SIS(シス)スタッフによるリレー形式の日記です。
「こころが動いたこと」や「共有したいささやかな出来事」など
スタッフの「想い」を定期的に更新していきます。
どうぞお楽しみに!

自己一致ということ 
 
 
 じっくり相手の話に耳を傾けて聴くことが大事だと言われるが、どういうことなのか。どのようにしたら、そういうことができるのか。あらためて、「傾聴」とは何か。どういうことを心がけたり、どういうことに注意したらいいのか。そんな、傾聴研修のようすを報告しています。
 
 傾聴のなかでは、受容と共感、そして自己一致が大切であると言われます。はじめの方の二つ、受容と共感はわかります。では、『自己一致』とはどういうことでしょう。
 
 「カレーライス、好きでしょ」と聞かれて、本心は好きでもないのに「いいですね。カレーにしましょう」などと答えることがあったりします。……いろんなジジョー(事情)が間に挟まっていたりして……
 
 それは、『自己一致』ではないわけですね。……カレーのような単純な話ならいいのですが、傾聴場面では聞き手の『自己一致』がとても重要なことになります。自分の気持ちに正直であることが大切でしょう。自分の気持ちに相反することを受容するのは、難しいことです。それを、自分の気持ちを消して、「そうだね。わかる、わかる」というのは迎合であって傾聴ではないからです。
 
 迎合が受容になるでしょうか。話し手は聞き手から言葉面(ことばづら)としては、「わかる、わかる」と言われて、そのときは受容されたと思うかも知れません。しかし、そういうことが重なるうちに、何か違和を感じるのではないでしょうか。それは、やはり、人と人との関係=共同作業のうちに傾聴が成立するからだと思います。
 
 聞き手は、相手に何も面と向かって「それは違うよ」「おかしいよ」と言わなくてもよいのですが、相手とのズレを持ったまま、「あなたがそういう気持ちになることは少し受け取ることはできるよ」と返せることができます。相手は、否定されているわけでなく、自分のことを受け取ってもらっていると、つながることができます。
 
 傾聴において、受容と共感、そして自己一致が大切であると言われることの意味は、話し手が切実であるほど聞き手の『自己一致』が重要になるからだと思います。話し手が、聞き手の内面に『自己不一致』を見いだしたなら、両者の共同作業はたちまちに不安定になるだろうからです。 (鮮)