自閉症は、体質? 障害? (5) | SIS日記

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NPO法人SIS(シス)スタッフによるリレー形式の日記です。
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「自閉」の意味?  (♯発達障碍)
 
 
  自閉症(自閉スペクトラム症・発達障碍)は、「体質」なのか、「障害」なのか。東田直樹さんの幼稚園時代の体験を元にして考えています。(1月30日、31日、2月1日、3日付けコラム参照)
 
 東田さんが、幼稚園で「前を向いて」と言われ、混乱してしまったことを別の角度から見直し、考えてみます。
 
 別の角度から、というのは、「自閉」という言葉の意味です。東田さんらが「自閉症」であるとされている、その「自閉」という意味です。
 
 辞書をひもといてみると、次のように書かれています。

《自閉》……『自分だけの世界に閉じこもる内面世界優位の現実離脱を示す状態。現実との生きた接触を失う状態。』
 
 幼稚園時代の東田さんは、
●雨や風や、砂や空や、さまざまなものと一体化し交響していた。その「浸り」からなかなか引き返せ(さ)ないため、内面世界が優位になり、「前を向いて」などの指示になかなか適応できず、現実との生きた接触を失う状態だった。
 
…………辞書を応用してみると、幼稚園時代の東田さんの様子を、およそこのように跡づけることができそうです。
 
 しかし、《自閉》の意味からは、もう一つ別の導き方が可能になります。それは……、
 
  「前を向いて」という指示は、
◆「前を向いて」という自らの言葉に閉じこもり、すぐには対応できない子も実際にはいるものだという現実との生きた接触を失っている状態である。
 
…………こういう見方も成立するのです。
 
 と言いますか、一度、こういう見方があることも考えてみた方が良いと思います。「前を向いて」に対応できる子が多数派ですから、どうしても多数派中心の現実社会が優位になるでしょう。けれども、東田さんのような少数派も存在する。現実は、多様である。そこから出発した方が良いのではないか。
 
…………どうでしょうか。  (鮮)