養育・子育て相談…言葉遣いの悪い子(5) | SIS日記

SIS日記

NPO法人SIS(シス)スタッフによるリレー形式の日記です。
「こころが動いたこと」や「共有したいささやかな出来事」など
スタッフの「想い」を定期的に更新していきます。
どうぞお楽しみに!

「おへそ」の時間を持つ 
 
 
☆もう一つ気になることがあって、言葉遣いのこともそうなんですけど、Kをきつく叱ったりした後に「どうせ、オレなんかダメなんだ」なんて言ったりすることがあるんです。ふだんは自己主張が強くて、元気すぎて手に余るほどなのに、そんなときはいいのかなと思うくらいに静かです。主人も気がついていて、どうしてそう思うのか、いつかゆっくりとKに聞いてみたいと言っています。
 
★それ(ゆっくり聞く)は、とても大事なことだと思います。お子さんは、自己主張が強くて元気だということですが、そのために元気エネルギーに押されて「あしらう」面が生じていることはないでしょうか。
 
☆それは、あります。忙しいときなんか、とくにあります。Kは、マイペースでどんどんやっていくタイプですし、人が話しているときに割り込んできてはばからないし、それで叱るのと「あしらう」のとがどうしても多くなってしまいます。
 
★なるほど。いつも、すべて、というわけにはいかないとしても、心を定めてKくんの言いたいことをしっかり聞くということが大切だと思います。そういう、コミュニケーションの「おへそ」を持つことです。受けとめる、ということです。
 
☆「おへそ」ですか。
 
★「おへそ」が体の中心にあるように、いま子どもがが話していることと、ママが子どもの話を聞いていることが世界の中心だ、みたいな……。
 
☆ん~~
 
★子どもがまだ生まれて間もないころ、口をモゴモゴし始めたときや、両手をあげて抱っこを求めたときなど、お母さんは「ハイハイ」とか「ほぅら」とか受けとめていたと思います。そのときは、大きくかぶりを振って頷いたり、ゆっくり語りかけたりしていたと思います。お母さんは、そんなとき、いろいろ忘れて赤ちゃんとの対話に没頭していたと思います。そんな、世界の中心がここにあるみたいな「おへそ」をつくっていく。
 
☆ふんふん。
 
★Kくんは、あなたの言葉で言えば「もうずいぶんと親と子の傘から出たり入ったりしている。けれども、共同生活の大屋根の下には居る」わけですが、まだまだ親と子の「おへそ」の時間を過ごして、傘を出入りしていくのだと思います。
 
☆はぁ
 
★そういう「おへそ」の時間に、子どもが何か言いたい、話したいことをしっかり聞く。それは、ちゃんと受けとめられてくれる相手に、伝えたいことを伝えようとする。これが、言葉の「動機」を大事にするということです。
 
☆「動機」って、最初から言ってらっしゃったことがそれですね。
 
★はい。伝えたいときに、伝えたい相手に、伝えたいことを、きちんと言う。それを、しっかり受けとめる。そういう安心感のなかで、言葉のスタイル、つまり言葉遣いも順番に適切にしていく。そういう間柄のなかで、親の側の願いもきちんと伝えていくことができるのではないでしょうか。
 
☆はい。「おへそ」という言い方でおっしゃられたことが、よくわかったように思います。主人とも話し合ってみたいと思います。   (おわり)