築地探訪記 ①
 
 
 築地の本市場見学(許可)時間の少し前に到着したつもりだったが、なんと、いくつもの行列ができているではないか。それも、若い女性たちと、熟年の外国人たちとが半々。
 
 「あの~、やはり(本市場)見学時間を待っておられるんでしょうか」と、若い女性の一人に尋ねてみた。もし、そうなら、その行列の一番最後に並ぶことになるかと思ったから。
 
 行列は、お寿司やさんを目当てにしたものだった。本市場の目の前に、「寿司大」とか「八千代」というお寿司やさんの暖簾が見える。でもさぁ、いま9時台だよ。並び始めてから開店までどれだけの時間をかけるっていうの・・・。
 
 私はというと、その後、見学解禁になったので本市場を巡り、お腹が空いてきたので築地ならやはり寿司を食べようと思った。波除神社に近い場外市場方面のあるお寿司やさんに入った。
 
 店に入って注文していると、熟年の外国人が入ってきて挟まれた。モントリオールって、カナダ? どうやら、ツアーで来ているらしい。「ジョーズシィー」「ジョーズシィー!」と、右から左から注文している。すっげぇ、瞬く間に上寿司4,500円×8だよ。店の奥では常連さんらしい二人が女将さんと「豊洲」とか「小池さん」とか喋っているから、築地市場移転問題を話してるみたい。
 カウンターの目の前に立派な葉蘭の葉っぱが一枚置かれて、順次お寿司のネタが置かれる。常連さんと熟年カナダ人と私と、計11人分の寿司ネタが二人の寿司職人さんの手によって置かれていくのだ。
 
  職人さんがネタをそれぞれのグループに置いていくタイミングは、とてもいい頃合いで流れるようだった。私は日本酒冷酒を飲みながらだったが、次のネタは何かなと葉蘭に目をやる時にはもう置かれていた。そして、どれもこれも美味しかった。
 
 そりゃ、行列も、外国からのツアーも絶えないわけだ。(つづく)