監督の支配に『はまる』  
 
 
 日大アメフト部の暴力的反則タックル問題は、ふたが開いた奥が深くてまだまだ色んなことが出てくる気配です。
 
 モリ・カケ、日大・・・と、政治からスポーツまで世間をうんざりさせている当事者の一方は、すべて「学園関係」です。教育関係です。教育産業と言った方がわかりやすいでしょう。教育が、ザクザクと「お金」を生みだすのですね。
 
 さて、権力的支配を日常化させていたとされる日大アメフト部で、監督が意図的に選手を試合出場や練習から外してプレッシャーをかけ、その選手が「這い上がる」ためにもがく様をアメフト部では『はまる』と言っていたとのことです。
 
 「あいつ、はまっちゃってるなぁ」・・・と。それは、監督のイジメ対象になっているという隠語です。そして、「はまる」選手は次から次へと替わっていくということであり、一種の見せしめになっていたということです。
 
 さてさて、『はまる』とはどういうことでしょう。漢字で書くと、「填る」「嵌る」で、「狭くてくぼんだ所に落ちて身動きならなくなる」という意味です。
 
 しかし、日大アメフト部の実情では、意図的に外され、落とされ、身動きならなくなるのですから、『はめられる』という受動形の他動詞で表現すべきでしょう。『はまる』は自動詞です。あたかも、自分で身動きならなくなったような言い方は不適切です。
 
 『はまる』には、「マイ・ブーム」みたいな、自ら何かに熱中する様を示す意味もあります。
 おそらく、「はめられる」などとは口が裂けても言えない雰囲気のなかでの隠語だったのでしょう。
 
 受動形の他動詞であるにもかかわらず、自動詞で言い表しているところに、辺りをはばかっている空気感が伝わってきます。この際、ウミを徹底的に洗い出すべきでしょう。
 ・・・この「ウミを・・・」というフレーズ、最近どこかで聞いたような・・・。(小)