“関係の中の言葉”=「つぶして来い!」 
 
 
 日大アメフト部による関西学院大学アメフト部QBへの反則プレー問題が、連日メディアにて取り上げられています。
 
 日大アメフト部監督とコーチの会見で、「つぶして来い!」というのはルールの範囲内のことで果敢なプレーのことを指しているとされています。「つぶす」=「果敢」という解釈は、一般に通用します。
 
 問題は、言葉は“関係の中の言葉”であるということです。「お前って、ほんとうにバカだねぇ」という言葉が、文字通りである場合もあれば、まったく逆に「どうしようもないけど、大好きだ」と伝えている場合もあり、その違いは“関係性”に尽きます。
 
 覚悟を決めて、単独で会見に臨んだ加害側の学生は、その“関係性”のなかから生まれた言葉の前後・周辺について具体的に話していて聞く者の胸に「納得」を残しました。対する監督・コーチの会見では、“関係性”を一般性に置き換えてリアルさを置き去りにしたように思えます。
 
 この数日、そんなことをあらためて思いました。(小木曽)