高岡講演会に向けて ⑪
 
11月12日に、発達障碍にかかわる高岡健氏の講演会があります。(くわしくはSISホームページ参照)そこで、前回2月に行われた高岡健氏の講演会記録を再録しています。ここでは、前回に続いて講演後の質疑のようすを紹介します。

③不登校になった子どもが、「外に出るのが怖い」と言うけれどもどう考えたらいいか、それは自閉的傾向なのか、二次的なことなのかという質問がありました。
 
高岡先生は、その方にいくつかのことを尋ねられ、次のように整理されました。
 
 ●イヤなことがあって、外に出たくないというのは、凡人(定型発達者)と共通する。
 ●とくに土日にクラスの子と出会うのを嫌がっているフシがあるなら、やはり上記のようなことだ。
 
〔コラム担当者より〕
 子どもが「イヤだ」として示している状態が、一見して好ましくなく見えたりしても、それが自然なことだと子どもに添っていくことの大切さを示されたように思います。昼夜逆転も、ゲームも許容してよいということを言われ、胸をなでおろした親が多かったと思います。
 
④親は子どもが自閉症スペクトラム症であることを承知しているが、いつ、どのように本人に告知したらよいかという質問がありました。
 
高岡先生は、実に的確に要点を整理して答えられました。くわしく再録しませんが、聞いていて素晴らしい回答だったと思います。
 
 ●抽象的理解ができるようになる10~15歳の間のいつか 〔一般的な時期〕
 ●本人が冷静で客観的に受けとりできる時期 〔個別的な時期・親と子の間での適切な時期〕
 ●伝える人が、割増も割引もしないで伝えられるのが望ましい。中立的な専門家など  〔誰が〕
 ●「人と違う」が「いい違い」として受け取りできる 〔どのように〕
 
〔コラム担当者より〕
 高岡先生が答えられた内容の末尾にある〔かっこ〕の言葉は、コラム担当者がつけたものですので、ご了解ください。
 
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発達障碍の「障碍(しょうがい)」について
現在一般的に使われている「障害」は、運動会などの競技名「障害物競走」等でも知られるように、他に何らかの害を与えるモノとしてのマイナスイメージがあり、ある意味、外から判断される社会目線の文字として用いられています。
SISでは、当事者目線を大切に、何らかの原因によって日常生活に影響の出るような制限を受け、社会との間に壁があるという意味で、「障碍」の文字を用いています。

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