高岡講演会に向けて ④
               モウセンゴケの花
 
11月12日に、発達障碍にかかわる高岡健氏の講演会があります。(くわしくはSISホームページ参照)そこで、前回2月に行われた高岡健氏の講演会記録を再録します。
 
 「発達障碍」について、高岡氏は次のような重要な考え方を述べています。
 
 ●発達障碍とは、「非定型発達+社会的障壁」の姿である。
 
 「非定型発達」は、発達の過程で何か異常や欠陥を持っているのではない。けれども、生きていく上で、どこかの時点あるいは場面で「壁」(社会的障壁)にぶつかる。それが、「障碍」である。そういう意味で、「非定型発達+社会的障壁」のことを「発達障碍」と捉える。高岡氏は、こう述べています。
 
 そうしますと、私の理解では「発達障碍」は生まれついてから将来にわたってつきまとうハンディでなく、一定の「状態」を表すとらえ方だということになります。縮めて言うと、障碍はその人の固有のものでなく、社会の「壁」にぶつかったときに生じるということです。
 
 そうしますと、「発達障碍」を生じさせる一定の「状態」とはそれなりの条件によってつくられるものですから、条件を取り除けば、つまり環境が変化すれば「障碍」が消え、たとえジグザグした歩みであれ、その人のその人らしい歩みが前景化されてくるだろうということです。
 
 たとえば、足の不自由な人が生活する上で、補助用具が完備し、生活圏すべてがバリアフリー化され、周囲の理解と交流において互いが尊重されるなど、物的・精神的な条件と環境に「壁」がなければ「障碍」が問題とならないように、です。
 
〔コラム担当者より〕
何をみていくか、が問われているということでしょうか。
 
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発達障碍の「障碍(しょうがい)」について
現在一般的に使われている「障害」は、運動会などの競技名「障害物競走」等でも知られるように、他に何らかの害を与えるモノとしてのマイナスイメージがあり、ある意味、外から判断される社会目線の文字として用いられています。
SISでは、当事者目線を大切に、何らかの原因によって日常生活に影響の出るような制限を受け、社会との間に壁があるという意味で、「障碍」の文字を用いています。

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