くすぐり反応と受容性
 
 「まなざしの誕生~赤ちゃん学革命」という本(新曜社)があります。生まれたての新生児の不思議な能力を解明し、「赤ちゃん学」を打ち立てようと提唱する下条信輔氏によるものです。
 
 そこで、次のようなことが書かれています。
『くすぐられたときのからだの反応は、たとえばほっぺをつねられたり、蚊に刺されたときの反応とは、ある根本的な点でちがっている。くすぐったときは、体の表面や外の世界に感じられる感覚(外受容性感覚)ではなくて、からだの中深くに感じられる感覚(自己受容性感覚、あるいは臓器的感覚)である。』
 
 先々回から話題にしている「人の視線が怖い」の『視線』は、下条氏の提示する概念で言えば<外受容性感覚>でしょう。自分の外から自分に向かって刺激してくるので、その刺激源への対応が迫られます。刺激源が自分に侵入してくるのが、イヤならイヤとなります。つねられるのはイヤ、止めてほしい、蚊に刺されるのはイヤ、蚊を叩く、など。
 
 「視線が怖い」という状態は、からだの奥深くから感じる状態、あるいは傾向が強いときに、外側からやってくる「人の視線」をイヤと言っているようなことかなと思います。
 
 今回は、生半可な展開になってしまって、すみません。


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