「家族」って何?
 
 「おじいさん、おばあさんと、小さな子どもが一緒に住んでいる。(両親はいない。)これって、家族だと思う?」
 
 「お父さんと、子どもと、ネコが一緒に住んでいる。これって、家族だと思う?」
 
 「お母さんと、子どもと、カメが一緒に住んでいる。これって、家族だと思う?」
 
 「お父さんと、その妹と、小さな子どもと、サボテンが一緒に住んでいる。これって、家族だと思う?」 
 
 こんな問題を、ある学校の男性の家庭科の先生がつくって子どもたちに考えさせたそうです。(ラジオで聞いた話なので正確ではなく、多少変えてあります。作家の高橋源一郎さんがお話ししていました。)
 
 子どもたちに手を上げさせると、上から順番に、「家族だと思う」が減って、「家族だとは思わない」が増えていきます。
 
 男性の家庭科教師は、どうして「思う」あるいは「思わない」に手を上げたのか、子どもたちにたずねてみます。
 
 ※このコラムをお読みになっている方は、どこで「家族である」「家族でない」の境目があるのか、どう思われるでしょうか?
 
 いろんな話し合いがされたようですが、ある子がこう言ったそうです。
 「一緒に生きていこうとするから、家族なんじゃないかな。サボテンは、一緒にと思っても思わなくても足がなくって動けないから、確かめられないし。一緒に生きていくことが、分かり合うのが家族じゃないかな」
 
 すると、他の子が、「カメは、逃げないように初めから水槽なんかに囲っているから、一緒にという気持ちは確かめられないよね」・・・と。
 
 『一緒に生きていこうという気持ちが確かめられる・分かり合う。それが家族』
 話し合いのなかから、こんなことを見つけた子どもたち。それを、見つけさせた先生もえらい! 見つけた子どもたちもえらい!