内心で冷や汗をかく経験
 
 『他人の気持ちを読み取るのが苦手で、人との相互的な意思疎通や状況に応じた適切な行動がとりにくい』
 
 発達障害・自閉スペクトラム症の人たちには、上記のような特徴があるとされます。コミュニケーションが苦手、ということです。
 
 それは、時と場合によっては私たちにもあると思います。自分が思ったことを言っても通じなかったり、相手が言ったことを受け取って行動したつもりが思わぬトラブルを招いたりなど・・・。
 
 誰しも、多少なりとも身に覚えがあるのではないでしょうか。そして、それ(意思疎通が困難な時)が「多め」になる時があります。たとえば、・・・
何人かの集まりで会話をしている。自分を除いた人たちはどんどん会話のキャッチボールを進めていくが、どうしても自分はそこに入れない。会話から遅れていってしまう。
 
 これには、二つほど理由が考えられます。1つには、ほかの人は会話している話題についてよく知っているが、自分はあまり知らない。だから、少しずつ遅れていく。
 
 2つ目は、ほかの人は互いに以前からの知り合いだが、自分はさほどでない。どちらかと言えば、新参者だ。それで、会話の流れは気心知れたほかの人たちのペースで運ばれ、自分は一歩引く感じになる。
 
 1つ目は、経験や知識の問題。2つ目は、関係性の問題。・・・とでも言えるでしょうか。こういう場面に遭遇し、「置いてけぼり」感を感じながらも、そこから脱け出すわけにもいかずに内心で冷や汗をかいている経験があるのではないでしょうか。
 
 このように、内心で冷や汗をかくような経験、それもたっぷりと冷や汗をかいた経験を思い出してみると、そこに何かヒントがあるような気がします。