見守り活動とは・・・
 
 千葉県で、ベトナム国籍の女児が遺体で見つかった事件の容疑者として逮捕されたのがその小学校の保護者会会長だったということで、社会に衝撃を与えています。容疑者は、児童が登下校するときに見守り活動もしていたということです。
 
 近年、児童の登下校に地域の方が「見守り活動」を行うようになったきっかけは、宅間守死刑囚が実行した「大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件」だったと思います。(2001年6月8日、大阪教育大学附属池田小学校に凶器を持った宅間が侵入し、次々と同校の児童を襲撃した。児童8名が殺害され、児童13名・教諭2名が傷害を負った。)
 
 その後、宅間守は死刑が確定し、2004年に死刑執行されました。ほかにも、児童の登下校の際に不審者が出没する事例などがあって、全国各地で地域住民による「見守り活動」が組織されていったと思います。
 
 その「見守り活動」がどうのということはないのですが、宅間守が起こした児童殺傷事件がいったいどこから生まれたかということがあります。幼少時から父親に虐待を受け、否定され続けてきた宅間にとって、大阪教育大学付属小学校は「そこに入学するだけで、将来が安泰」に見える学校であり、敢えて襲撃の場所を選んだのです。
 
 「小学校の子どもが襲撃される」という前代未聞の衝撃的な事件に対して、「見守り活動」が急速に組織されたように思います。
 
 私は、「見守り活動」それ自体がどうのと言うつもりはありませんが、何か、どこかがズレていたように思えます。
 
 そのスキ間から、「見守り活動」を利用した今回のような事件が起きたのではないか、このように思えます。
 
 まだ判断材料が乏しいなかで、とりあえずの意見表明ではありますが、『子どもを見守る』とはどういうことなのか、問われなければならないと思います。