構造化とタイムアウト 
 
 
 話を聞いているはずですが、どうも私はところどころ話の中身が記憶から脱けてしまうことがあります。ボーっとしているのか、何か他事を考えているのかわかりません。タンスの引き出しから服を出したのに、いつの間にか虫食いになっているような感じです。
 
 そこで、虫食いになっていない記憶からたどってみるので、多少順序が前後します。高岡氏は、自閉スペクトラム症の「みたて(見立て・診断)」の話の次に、「てあて(手当て・支援)」の話をされました。そこで、自閉スペクトラム症によく見られる「こだわりとパニック」への「てあて(手当て・支援)」について、次のように述べられました。
 
①一般的に「こだわり」によるトラブルが起きやすい
②「こだわり」の背景や理由を知ることが大切
③ふだんから時間の構造化・空間の構造化を工夫し、対応する
④パニックが生じたときには、危険なものやこだわりの対象を遠ざける
⑤パニックによる混乱に対して、タイムアウトをする
 
  とくに、③の「時間と空間の構造化」と⑤の「タイムアウト」が、耳慣れないと思います。案の定、後の質疑で「タイムアウトについて、どういうことかもう少し聞きたい」という質問が出ました。
 
 高岡氏は、「パニックが起きる前のふだんから構造化に心がけ、それでも予想外の事が起きるなどして混乱したときにタイムアウトをする」という関係だと述べた上で、タイムアウトについて説明されました。
 
 「タイムアウト」は、スポーツでよく使われるように競技そのものを「中断」することで、この場合、周りがかかわりを中断する、あるいは応答しないでおくという意味だと思います。
 
 平たく言うと、『しばらく放っておく』ことです。高岡氏は、その時間は「およそ1分半ほど」と言われました。そして、「ふところに本人の興味を誘うものを持っていて出したり、気持ちを切り換えるよう働きかける」と言われました。
 
 私は、「ふところ」というのは実際にポケットなどに物を忍ばせておくだけでなく、「ふだんからの心の用意として=ふところ」だと思って聞きました。
 
 高岡氏も述べているように、この話はふだんからどのように向き合っていくかにかかわる、全体的につながりがある話です。
 
 長くなるので、続きは次回にまわします。まだ、「構造化」についても触れていませんし・・・。