文化的多様性としてとらえる 
 
 
 前回の最後に、自閉スペクトラム症は正常な発達の一過程であり、文化多様性を表すものとしてとらえる、と書きました。(これは、高岡氏の講演を聞いての私なりのとらえ方です。)
 
 さて、高岡氏は、非定型発達者と定型発達者の双方的理解が必要だとして、次のように述べています。
 
●「定型発達者が非定型発達者の病理を知る」から、「定型発達者が非定型発達者の世界を知る」「非定型発達者が定型発達者の世界を知る」への転換が大切になる
 
●「定型発達者の規則を非定型発達者に教える」から、「両者ともに住みよい世界をつくる」への転換が大切になる
 
 ここでも、私などは「う~む」ですね。「病理を知る」から「世界を知る」への転換ということですが、やはりどこかで彼らについて「病理っぽい人」として見てしまうようなところがあるからです。