自然界で起きていること 
 
 
  言葉が、ひとつもない絵本を見つけました。
 
 近藤薫美子作 「のにっき(野日記)」(アリス館)です。
 
 あるのは、日付だけです。
 最初は、11月13日。小動物が、野に横たわって死んでいる。
 
 翌日、11月14日。雨。
 11月17日。どこからともなく小虫がやってくる。
 12月には、鳥やネズミに食べられ、
 
 1月には骨と毛だけになって雪に埋もれ
 
 2月、3月、もう小動物のかたちはわからなくなっている。
 
 そして、4月3日。そこは、野草たちが繁り、花を咲かせている。
 
 言葉がひとつもない。
 「けれども」と続けるべきか、「だから」と続けるべきかわからないですが、心のなかで豊かに想像がふくらむ絵本です。