積極的な意味を持つ不登校?! 
 
 9月14日に出された文部科学省の「通知」が、話題になっています。
 
 通知によれば、不登校の期間は休養や自分を見つめ直すなど「積極的な意味を持つことがある」としたうえで、学校を休む子どもが悪いという「根強い偏見を払しょくすることが重要」だと述べています。
 
 また、「学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を素子とが重要」とも述べ、不登校支援が「学校復帰のみ」に囚われることなく、社会的自立を目指すよう求めています。
 
 これは、1990年代に「ミスター文部省」と言われた「ゆとり教育」提唱者の寺脇研氏がいた時代に、「不登校は誰もがなり得る」として不登校への見方を転換させた文部省通知を思い出させます。
 
 ところが、そう考えるのは早計で、「通知」の後段に次のような文言があります。
「一方で、児童生徒に対して教育が果たす役割が大きいことから、学校や教育関係者が一層充実した指導や家庭への働きかけを行う」ことが必要だというものです。
 
 かんたんに言えば、やはり不登校が長引くのはよくないということです。
 どこかで、不登校の増加や長期化に歯止めをかけたい気持ちが滲み出ているようです。
 
 私たちにとって、不登校の問題への腹の座った議論が求められているようです。