いじめで自殺した人が写っているから???
 
 
 青森県の女子中学生が、新学期始業式の翌日にイジメを苦にして自殺した事件が報道されて一ヶ月半。その10日前に黒石市の「よされ祭り」に参加していた女子生徒の写真がコンテスト最高賞に内定していたのですが、祭りの責任者と市長の「ふさわしくない」という一声で取り消しになりました。
 
 掲載されている写真は、父親ら遺族が新聞社を通して公開したものです。遺族は、コンテスト最高賞として公開されることも諒解していたとのことです。
 
 その日その時を精一杯前を向いて生きよう・・・、たとえ次の日に立ち上がれないほど暗転することがあったとしても・・・、女子生徒はそう考えていたと思います。
 
 父親ら遺族は、娘の生きようとする笑顔を写真のなかに見いだしていたと思います。
 「ふさわしくない」という賞の取り消し判断がどこから出てきたのか。それは、女子中学生が生きた人生のうちの、最期の自死という断面のみに囚われたものではないでしょうか。自死でなく事故死だったとしても、同じ判断だったでしょうか。
 
 女子中学生は、いじめによって存在への脅威を受け、さらに「自死」だから賞に「ふさわしくない」と追い打ちをかけられたように思えます。