やれやれ・・・ある日の排泄介助から
 
  少し前、「相模原事件 一ヶ月を経て」ということで、新聞やテレビでさまざまな特集が行われました。考えれば考えるほどに、あの事件は遠くの出来事でないのではないかと思うようになりました。
 
 夏休み、ラジオ体操を終えて戻って来た孫が大便をガマンしていたらしく、玄関にたどりついたとたんにポロっともらしたようす。床上と、孫の下着の中に残るソレを片付けるのに大わらわ。やれやれ・・・。
 
 認知症の母がデイサービスに出かける時間。「さあ、着替えようかね」と下着を脱がせたとたん、ブリブリ・・・。タイミングが悪かったみたい。ポトッと落下して、アァッと思う間もなくのっそりと一歩踏み出した母の足の下にソレが・・・。やれやれ・・・、サイアクだぁ、今朝は・・・。
 
 やれやれ・・・ということが、おそらく障害者施設で働く人たちにはたくさんあるだろうと思います。入所者のAさんがテレビに夢中になっているとき、少し尻を浮かせていたサインを見逃してしまって、やれやれ・・・とか、そろそろBさんのベッドのところに行かなきゃぁとは思っていたんだけど・・・、とか。
 
 神奈川県相模原市の津久井やまゆり園における障害者殺傷事件が起きてから、一か月が経ちました。事件を引き起こした植松容疑者は、この施設の元従業員ということでした。彼にも、こういう「やれやれ体験」は幾度もあっただろうと思います。そのとき、彼は何を考えていたんだろうかと思います。