世の中は、あなたが思うより、ずっと広い
 
 
 新学期がはじめる9月1日をピークにして、子どもが自らの命を絶つということがニュースになり、今年も例外ではありませんでした。いじめが原因だったとのことです。とても悲しい出来事です。
 
 劇作家の鴻上尚史さんが、2006年に書いて「朝日新聞」に掲載された「いじめられている君へ」という文章が、いじめ自殺事件をきっかけに再び脚光を浴びました。
 
 文章の前半は、次のようです。
「あなたが今、いじめられているのなら、今日、学校へ行かなくていいのです。あなたに、まず、してほしいのは、学校から逃げることです。逃げて、逃げて、とことん逃げ続けることです。学校に行かない自分を責める必要はありません。大人だって、会社がいやになったら、会社から逃げているのです。」
 
 そして、文章の終わり近くに、次のようなひと言があります。
「だいじょうぶ。この世の中は、あなたが思うより、ずっと広いのです。」
 
 「世の中は、あなたが思うより、ずっと広い」!! 素晴らしく、深い言葉だと思います。私たちは、このことを子どもに伝えられるといいますか、感じさせられる大人でありたいと思います。