日の光をいっぱいに浴びて
黄金色に輝きたい



気泡をきらきら光らせながら



それぞれの黄金色を



めいっぱい見せびらかしたい



小花揺れる野原からやってきた



わたしはアカシアから



わたしはクローバーから



わたしはローズマリーから



あの野原の春のにおい
つんとして胸の奥に届くような



かわいいみつばちが一匹寄ってきて
ブンブンと話しかけてくれた



あの午後の楽しい思い出








ここは村の裁判所



時間にとても厳格で



時刻になると裁判官が
厚い法典を持って現れる



村で重要なことを話し合い
意見がわかれたとき



裁判所で公平に話し合う



昔からこうやって



村人みんなの納得のもと
いろいろなことを決めてきた



関心を持つ村人は傍聴のため
裁判所に足を運ぶ



時間をかけた厳正な判断のもと



今日もひとつのことが解決し
村がまた一歩だけ前に進んだ








もうすこし



あとすこし



部屋のなかの空気が少しずつ



変化をはじめる



いつもこの瞬間を待っている



朝の穏やかな空気を



一瞬で変える力を持つ



まっすぐな朝日



花が一斉に開いてく



強い香りをふりまきながら







ここは村の公民館の一階



すべての村の行政を司る役所



あらゆる手続きがここで行われ



いつも村民たちで混み合っている



同時に村で唯一の銀行でもあり



村人から厚い信頼を得ている



さらには、警官が銃を使う際にも



ここで許可を求め
借り出す必要がある



つまりここは



村の行政・警察権のすべてを
統括し司る重要な拠点



シルバニア村の開村と共に
歩んできた歴史ある組織










ずっと夢見ていたお店を



この街で始めたのが十数年前



いちばん好きな花である
薔薇だけを並べて



こつこつ続けてきたお店



年月を経て
自分の好みのものがひとつずつ



このお店に集まってきて




いつの間にか
このお店はまるでわたしそのもの



このお店に立つと
どんなときも心穏やかでいられる