
照り返しが眩しくて目を細める

何気なく曲がったのは
いつもよりふたつ前の門

はじめての道 突如出くわす
砂糖菓子のような白壁の建物

裏路地にこんなお店、あったかしら…

甘い香りで
幼いころの記憶の粒が小さくはじける

綺麗におめかししたお菓子たちが
今にも踊り出しそうに並ぶこの様子

むかしお気に入りだった絵本に

淡い水彩で描かれていた
美しいお菓子たち…

ふっとそのページを思い出す

丘のはるかむこう
七色の虹かかる雲の上

そこにはおとぎの国があって

たしか雲に砂糖をまぜて
職人が夢のようなお菓子を作るの

3時を知らせる時計の音を合図に
お菓子たちのパーティが始まる

そんな子供のころのような想像に
思わず胸を踊らせて

暑い夏 … 溶けそうに暑い日の
溶けそうな砂糖菓子たちの淡き夢

































