いま、会いにゆきます

今ちょうど見終わって直後なんですが・・・、

★の数がつけられません。すごく困惑している。


ラストの一つ前。

澪の日記によって語られる、澪の巧への思い。

出会いのシーン。陸上大会のシーン。教室で二人が隣の席に座っているシーン。卒業式のシーン。再会のシーン。別れのシーン。

もう涙をぼろぼろ流して泣きながら見ていました。


で、ぇ・・・・え?え? どういうこと?? ぇ、そういうこと!?


と思いながらラストシーンを見ていました。

涙がピシャリと止まっていました。


何かすごく納得いかない。

自分なりに整理してみよう。


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25分経過。なんか色々考えてちょっとわだかまりがほどけてきたかも。


(・・・そうだこれだ。これが引っかかっていたんだ。)


結論:死ぬとわかっていながらこんなに簡単にその未来へ進めるものだろうか。それが愛なんじゃない?と言ってしまうのは、とても安易な気がする。


(あーやっとたどり着いた。すっきり。)


私は巧と再会してめでたく結ばれて、かわいい子供も生まれて、

そして愛する夫と愛しい息子に看取られて幸せの中死んでいくんだ。


佑司。悲しくないよ。私が死ぬ前に残した絵本があるでしょ?

1年後(半年だっけ?)にその本の奇跡みたいにまた会えるよ。ってか。


巧。私は死ぬ運命だけど、あなたとの子供が見たいから

あなたを愛しているから、いま会いにゆきます。ってか。


薄い薄っい愛だ。というかこれを愛と呼べるのか。まして純愛?

死ぬということはこんなにぬるいものじゃないと思う。

結婚して何年だか知らないけど、息子を産んですぐに死んでいく妻を見送る巧の思いがわからないのだろうか。

まだまだ小学生も低学年だというのに母親を亡くす息子の気持ちが想像できないだろうか。

そしてまるであたかも絵本のような奇跡が起こって、過去からきた自分が現れて、またひとしきり愛した後に、雨がやんだから帰らなきゃ、ってバカか。

身勝手すぎる、全ては澪の独りよがり。

ね、心温まる奇跡みたいでしょ。ってバカか。

巧と佑司が次の雨の季節がやってくることをどれほど待ち遠しく思うと思っているんだ。あれは奇跡に見せた偶然のタイムスリップだから、

お前はもう二度と二人の目の前に現れない。

お前のいない二人の人生がこれからどれほど長いものか。


せめて、巧に会いに行く前に悩みに悩んで欲しかった。

悩んで悩んで、死ぬのは恐いけどそれでも、

あなたが好きだからあなたを愛しているから、

あなたに会いにきました。これならまだ納得いく。

というかむしろとてつもない愛を感じる。

死ぬことと愛することを天秤にかけたとき、その答えはこんなに簡単には出ないはずだ。


だからそもそも巧も巧でおかしい。

なぜエンディングであの日記を読んで微笑んでいられるのか。

自分なら、どうして言ってくれなかったんだ、とまず思う。

言えないのもわかる。それでも言って欲しかった。

子供を生むかどうかだって二人で決めたかった。

どうして簡単に未来を受け入れるんだ。

わざわざ死ぬ未来を選ぶことはない、未来は変えられたかもしれない。

・・・自分はとても微笑むことなんてできはしないと思う。


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いやースッキリした。

今回ほどレビューしてよかったと思うことはない。

自分の気持ちをかなり吐き出すことが出来た。


映画レビューを始めてつくづく自分は変わっているのかもと思ってしまう。

これが大ヒットか・・・。

これなら「天国の本屋」の方が全然よかったな。

もしくは「ビッグ・フィッシュ」。ファンタジーはあああるべきだと思う。

ラブストーリーで言えば、「猟奇的な彼女」。これは最高。


せかちゅーと違ってこの映画にはかなりの期待があった。

そしてラスト前のシーンはかなり泣いた。

構成、映像、音楽、語り、全てが心に響いて泣いた。

本当にせつなく思った。

しかしその涙を止める衝撃のラスト。

なんとも腑に落ちないままオレンジレンジ。

さすがオレンジレンジ。相変わらず薄いねぇ。拍車をかけてくれる。


★の数はあくまでオススメ度なので、

期待とかあの時の涙とか色んな意味を込めて厳しくも★は1としました。