ロックンロールミシン

とてもぬるい話。

主役の二人が現実から逃げているようにしか見えない。

なんとも情熱を感じない映画。予想とは全く逆のものだった。


凌一(池内博之

服飾の専門学校出て、仲間とブランドを立ち上げる。

「ストロボラッシュ」のデザイナー。


自分が楽しいことばっかりやって現実を見ない奴。

プライド掲げて格好だけつけて、その成れの果てに金がなくなって、最後は結局先輩にすがる。


ラストで展示会を直前に展示会の辞退を一人で決意する。

服の出来が気に入らないらしい。

全部リセットしなきゃ駄目なんだよって服を切り刻む。


・・・えー、なんと身勝手な。


何でここにきて納得いかないとか言い出すんだろう。

力を出し切れたにしろ、出し切れなかったにしろ大問題だ。

全部リセットしなきゃいけないんだよったって、そんなの気のせいだよ。

きっとまた同じこと繰り返して、またなんか納得いかなくて失敗に終わるよ。


賢司(加瀬亮

久しぶりに会った凌一が楽しそうなのを見て、

今の会社勤めの自分に疑問を抱く。

メンバーでもないあやふやなポジションを取りながら、

「ストロボラッシュ」に通う日々。

悩んだあげく会社を辞める。

とにかく受身な奴。

「ストロボラッシュ」を始める時の一言。

「ならやるよ。」

・・・なんだそれ。

要は会社に行くのが嫌になって逃げてきただけだろと。

なんか服作るのが楽しくて生きがいすら感じちゃってるみたいで。

絶対に間違いなく勘違いなのに。

たまに普段と違うことやったから新鮮で楽しいだけ。

それを裏付けるように、「ストロボ」がリセットされたら、

会社に結局戻ってるし。


最初に書いたようにとにかく情熱を感じない話。

「若者の苦悩を描いた」とか言うけど、いやここまで腐ってないから。

この主役の二人。ニート紙一重。

現実から逃げて、バイトすらしないで好きなことだけやって。

親のすねかじってないったって、結局先輩に金もらってるし。

必死でバイトで食い繋いで、寝る間も惜しんで服作って、

そうやって少しずつ夢のカケラを磨いていく。

偉そうに夢を語るなら、その姿はこうあるべきだ。

それができないならつらくても耐えて、

スーツを着て必死に会社に勤めるべき。

現実のお笑い芸人の方がよっぽど必死に夢を追っている。

こんな程度の人間の苦悩の日々を描いただけで、

「現代の若者の苦悩」を描いたなんて言われたのかと思うと、

今まさに将来について悩んでいる時期の自分としては、

とても頭にきた、むしろ呆れた。