耳の聴こえない絵描き
ソルト/Shiori Ueda
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愛するものから憂いが生じ、愛するものから恐れが生ずる。愛するものを離れたならば憂いは存在しない。
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世間の憂いと悲しみ、また苦しみはいろいろである。愛するものによって、ここにこの一切が存在しているのである。愛するものが存在しないならば、このようなことは決して有り得ない。
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(経典ウダーナヴァルガより)
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失うことを恐れる。奪われることを恐れる。このようなあらゆる不安を持つ最たる原因である「愛するもの」を作るな
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────という教えが、仏陀の経典にある。
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なかなかに過激なようであるのだけれど
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「愛するもの」を「執着」と置き換えたらとても分かりやすい。
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執着から嫉妬や憎しみ、恐れが生まれる。
ひとつの執着から多くの苦しみが生まれる。
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仏陀の教えは「ひとりで生きる」ことを説いている。
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決して誰の助けも得ずに一人で生きていくことではない。
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「自分で考える」
「自分で選ぶ」
「自分で決める」
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そういった「自分の思考と選択を大切にする」という意味での「ひとりで生きる」。
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他人の顔色をうかがう「愛=執着」は、何よりも自分をないがしろにすることなのだろうね。自分ではなく他人に心を置いているということであるから。
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だから「愛するものを作るな」。
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親子であれども「他人」
兄弟姉妹であれども「他人」
配偶者はなおさらに「他人」
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他人であるからこそ、離れる。
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そのひとの選択はそのひとのものであるから、どのような状態であろうともそのひとの運命、人生と思い、決して口出しをすることのない距離を保つ
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難しくて大切なことだと思う。
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例えばそのひとが「死にたい」と言っても止めない。選択はそのひとのもの。
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例えばそのひとが「傷付く」と分かっていても止めない。傷付くことで初めて得ることができる学びもあるだろうから。ㅤ
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「見捨てる」とは違う。
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他者からの、他者との、そうした「距離」を保つのも
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自分にとってのひとつの修行、ひとつの学び
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「ひとりで生きる」ということ。
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罪悪感もまた、自分が生み出すものにすぎないから
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ただひたすらに、自分を見つめ、自分の在り方に対してまっすぐでいられるように「ひとりで」努めるしかないのだろうと思う。
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(文/ソルト)