耳の聴こえない絵描き
ソルト/Shiori Ueda
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《真理の羽根》
ときに天使が神になりすますことがある。
翼の裏に本当の心を秘め隠して。
ときに悪魔が神になりすますこともある。
その翼を豪奢な衣の下に押し隠して。
全ての天使が善き言葉のみを告げるとは限らず
全ての悪魔が悪ゆえの悪だとは限らず
では我らは何を信じるべきか
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030‐アポリオン
食らいつくす覚悟
不都合な真実は喰らい尽くすがいい
都合の良い言葉で埋め尽くすがいい
新しい世界として
新たな世界を創るのだ
不都合になったときはまた
喰らい尽くせばいいのだから
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第一のラッパが鳴ると血のまじる雹と火が降り注ぎ
第二のラッパが鳴ると海に火が落ち
第三のラッパが鳴ると苦い彗星が川に落ちて苦い川に変わり
第四のラッパが鳴ると太陽・月・星が壊れて世界が暗くなり
第五のラッパが鳴ると大地の奈落から出てきたイナゴが地上を覆いつくし
第六のラッパが鳴ると四人の悪霊が解き放たれて印のない人々を殺し
第七のラッパが鳴ると悪魔は破れ神が来たりたまう
ヨハネの黙示録に記される「七人のラッパ吹きの天使」。
この第五のラッパの段で出て来る、地上の作物・罪人を食らいつくすイナゴたちの王がアポリオン。
「イナゴを率いて奈落から現れる天使アポリュオン」あるいは「奈落を支配する悪魔の王アバドン」と書かれる。
蝗害(こうがい・イナゴが大発生してあらゆるものを食いつくす災害)を悪魔や天使に置き換えた存在だね
イナゴは虫の皇(すめらぎ・王のこと)と書き、まさに虫の王として地上を滅ぼす強さを持っている。
(※日本ではイナゴが大発生することは稀だけど、エジプトなどの地方では街を覆うほどに大発生して国を滅ぼす危険な虫として扱われる)
最後のラッパが鳴ったとき、人間は全滅したわけではなく「額に神の印のある者」は救われて神の国に行く。
その後の地上に神が降り立っていることから、
善悪をより分けふるい分け、悪を全て滅ぼした「終末」のあとに善による「新しい世界」がくるとされている。
神も人も、不都合なことは消してしまうちからを持っている。
それが正しいか間違っているかは置いといて、
すべてを消して作り直すことも、ひとつの生き方なのだろうなと思う。
(文/ソルト)