耳の聴こえない絵描き
ソルト/Shiori Ueda
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今月は更新頻度がめっちゃ低めなことに気づきました。
どうもソルトです。
今日は大祓祝詞について。解説というか、ソルトの意訳。というか、なんというか。
とりあえず長いです。
大祓祝詞を知ってるかたはどうぞ。
わたしの生家は、古くから出雲大社に縁のある家なので
出雲神道です。
もっと古くは、出雲大社の「祝部(はふりべ)=生贄を捧げる(屠る・はふる)下級神官」の一族の血が混じっているかもしれません。
神棚の神具は、大国主の神紋・亀甲紋が入ってる。
柏手も、二礼四拍手一礼。(※通常は二礼二拍手一礼)
親族の葬儀も出雲神道の方法になります。
お盆とかは関係なくて、お坊さんではなく神主さんが来る~
そんな家にうまれたソルト
ずーっと、一般的な「祝詞(のりと)」に違和感を持ってました。
神社とかで「かけまくもかしこき~」とか「たかまのはらに~」とか神主さんが言ってるアレ。
中学になってから祝詞は読まなくなったんだけど
5、6年ほど前から一般的な大祓祝詞をダウンロードして再び読むように。
そこで違和感が・・・・
『家で読んでた祝詞と微妙に…いや、だいぶ違うぞ…』
70%は同じだけど、30%がだいぶ違う。
まあ、わたしの家は出雲式やし…違うんやろか。とは思ってた。
そこで調べたら
そもそも、今の大祓祝詞にはかなり省略されている部分があるようだ。
主な理由として「時代にそぐわないから」。
ほう…
そもそも「祝詞」というのは、
本来は、参拝者に聴かせるために作られたもの。
大祓祝詞をすっごい簡単に意訳すると
「耳の穴かっぽじってよ~く聞きなさい。むかーしむかーし天にえらい神さまがいて、日本を平和にしなさいとおっしゃったので、うんぬんかんぬんで支配…いや、平和にしちゃいました★」みたいなこと言ってるだけなんだ…
それがいつか「神へ捧げるもの」と変わっていったので
参拝者にたいして「耳の穴かっぽじってよ~く聞きなさい(※意訳)」と言ってる部分はそりゃ、省かれるだろうね。
そして大祓祝詞のなかで述べられていた、「天つ罪・国つ罪(やってはいけない罪)」というものががっつりと省かれている。
◆現在の大祓祝詞◆
「種種(くさぐさ)の罪事は
天つ罪 國つ罪 許々太久の 罪出てむ
かく出でば 天つ宮事もちて…」
◆前の大祓祝詞◆
「種種の罪事は 天つ罪と畔放ち
溝埋め 樋放ち 頻蒔き 串刺し
生刺ぎ 逆刺ぎ 屎戸 許々太久(ここだく)の罪を
天つ罪と宣り別けて
國つ罪とは 生膚断ち(いきはだだち) 死膚断ち(しにはだだち)
白人胡久美(しらひとこくみ) 己が母犯せる罪
己が子犯せる罪 母と子と犯せる罪
子と母と犯せる罪 畜犯せる罪
昆虫の災 高つ神の災 高つ鳥の災
畜仆(たほ)し 蠱物(まじもの)せる罪 許々太久の
罪出でむ 此く出でば天つ宮事もちて…」
※意訳…「いろんな罪があってだな、天の罪ってこれ。国の罪ってこれ。で、こんだけいろいろある罪を犯すとだな…」
めっちゃ省略されてる。
なんだけど
これでも違和感のあったわたし
え~わたしが覚えてた祝詞とチョット違う・・・
生膚断・死膚断…ほかに「なをるのはだだち」ってあったはず・・・
「おほなかとみあまつみやごともちて」だったはず・・・
そこで実家の神棚をごそごそ探ってきました。
お見せできませんが、ぼろっぼろに劣化した、わたしが小学生のときに読んでた祝詞が出てきました。
なんと、またさらに違う!!!
◆わたしの祝詞◆
「種々の罪気枯は
天津罪と畦放ち。溝埋 樋放 頻蒔 串刺 生剥 逆剥
屎戸 許々太久の罪を天津罪と法別(のりわけ)て
国津罪とは生膚断(いきはだだち)。 死膚断(なをるのはだだち)
白人胡久美 己が母の犯せる罪。 己が子の犯せる罪。
母と子の犯せる罪。子と母の犯せる罪。
畜の犯せる罪。昆虫の災ひ。
高津神の災ひ。高津鳥の災ひ。
畜仆し蟲物せる罪。 許々太久の罪出でむ
此く出で奈は 大中臣(おほなかとみ) 天津宮事以て…」
コレだスッキリ!!!!
さらに「あっ」と気付いたこと。
大祓祝詞(おおはらえのりと)をWikipediaでググると
「神道の祭祀に用いられる祝詞の一つである。
中臣祓詞(なかとみのはらえことば、略して中臣祓)・中臣祭文(なかとみさいもん)ともいう」
あっ。だからかぁ~「大中臣(おほなかとみ)」が出てきた理由。
よく見たら、ちゃんとわたしの祝詞にも「中臣祓」と書いてありましたw
さらに最後もだいぶ違う。
◆現在の大祓祝詞◆
罪といふ罪はあらじと
祓へたまひ清めたまふことを
天つ神 国つ神
八百万の神たち
共に聞こし召せと白(まを)す
◆前の大祓祝詞◆
今日(けふ)より始めて
罪といふ罪はあらじと
祓へたまひ清めたまふことを
天つ神 国つ神
八百万の神たち
共に聞こし召せと白す
◆わたしの祝詞◆
天(あめ)の下 四方(よも)の地(くに)
諸々の霊(たま)にも身にも罪気枯(つみけがれ)は
あらじと祓へ給ひ清め給へと申す
ぜんぜんちがうよね
こういうところを見ると、
やはり宗教・信仰は、人間が作り出しているものだと実感する。
人の数だけ言葉があって
人の数だけ宗教があって
人の数だけ信仰があって。
神に捧げる言葉も移ろっていき
神に対する想いも移ろっていき
神のあるべき姿も移ろっていく。
おやすみなさい。